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SARSの起源はコウモリ? [科学/技術]

新型肺炎(SARS)の原因となる「SARSコロナウイルス」と非常に近縁なコロナウイルスを中国に生息する野生のコウモリが保有していることを香港大の研究チームが突き止めた。従来はイタチに似た「ハクビシン」が宿主ではないかと疑われていたが、これによってSARSはコウモリが起源だった可能性が出てきた。これについて、近く米科学アカデミー紀要に論文が掲載されるという。

香港大のチームは、広東省の市場にいたハクビシンからはSARSコロナウイルスが高率に検出されたのに、飼育場では検出率が低いことなどに疑問を持ち、ハクビシンと接触する可能性があるネズミやコウモリなど、香港郊外に生息する野生動物を多数捕獲して調べたという。その結果、ウイルスが検出されたのは「キクガシラコウモリ」の一種であり、捕獲した40%近くがそのウイルスを保有していた。また、遺伝子分析の結果から、ハクビシンのSARSコロナウイルスと共通の祖先から進化したウイルスとみられている。

コウモリがどのようにして感染したか、コウモリからハクビシンにどのようにして広がったか、については断定できないとしたが、中国ではコウモリのふんが漢方薬になったり、肉が珍味として食用になることから、チームは「注意すべきだ」と呼び掛けている。

ハクビシンが原因ではないかとされていたが、これは思わぬ方に話が進んできたといえる。でも、疑問を感じて調査を行うというのは素晴らしいことである。このように完全に原因が特定できていないのにそれが原因とされているような事柄は他にも多数あることが考えられるだけに、ちょっと教えられることにもなりました。

コウモリというのは哺乳類の中で唯一飛行することが出来る動物だということは知っていましたが、コウモリのふんが漢方薬になっていた、肉が食用になっている、というということまでは知りませんでした。(でも、コウモリって、ネズミに次いで種類が多い哺乳動物なので、食用というのはあり得るとは思います。)こういうニュースは勉強になりますね。


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