SSブログ

ABBA『THE SINGLES - The First Ten Years』 [音楽(洋楽)]

今回はABBAの登場である。が、ここではちょっと変わったアルバムを紹介することにする。(普通のものだったら面白くないでしょうから...)そのアルバムは、欧州版("Made in West Germany"という文字がある。)の2枚組のCDで、タイトルは表題の通りである。収録曲は、Disc 1が1973年から1978年のシングル13曲、Disc 2が1979年から1982年のシングル10曲であり、全23曲となっている。尚、このCDが何年のリリースであったか、日本版があるのか、は不明である。("West Germany"とあることから、80年代であり、封入されている解説書の最終ページは四カ国語で"COMPACT DISC"についての説明書きがあり、更にLPとカセットでも同じソフトがあることが分かる(レコード番号の記載がある)ので、CD登場からそれほど時間が経過していない間にリリースされたものと思われる。多分、83年から85年の間だと思われる。→LPは、タイトルから考えて、83年頃のリリースだと思われる。)

ABBAと言えば、北欧・スウェーデン出身の4人組で、1973年に結成されたグループで、'70年代から'80年代初頭にかけて大活躍したグループである。一時期、スウェーデンが世界に誇るものは「ABBA」と「ボルボ」と言われたことがあるぐらいであり、まさに世界を席巻したスーパーグループである。

このアルバムは10周年ということを記念してのものであり、DISC 1はABBA結成からの6年間のヒット曲が集まっている。曲順に従って再生しながら本文を記しているが、このCDに収録されている曲は名曲ばかりであるので、1曲ずつタイトルをも記していくことにする。そのため、長編になっている。最初は、それぞれのDISCに対して1つの記事として、2つに分けることを考えたが、2枚組のDISCで1つのアルバムとなっているため、やはり1つにまとめることにした。

まずは『Ring Ring』でスタートし、『Waterloo』『So Long』と続く。この頃のABBAは、正統派ポップス路線の曲調であり、とても親しみやすいメロディと明るい調子のポップス・サウンドである。(まさに、'70's POPSというイメージそのままである。)近年のちょっと喧しい感じの曲を多く耳にしていると、本当に人の手による手作りのポップスという感じで、とても新鮮な感じがする。要するに、ゴタゴタと下手な飾りを付けても、それは誤魔化しへの逃避でしかなく、飾り気のないシンプルなところが世界中の人々に支持されるのであろう。

続いて、ややスローなテンポの『I DO, I DO, I DO, I DO, I DO』からコーラスが美しい『S.O.S.』、『Mamma Mia』から『Fernando』と続き、この時点で既にABBAサウンドの虜になった過去を忘れて再び虜になっている。そういえば、『I DO, I DO, I DO, I DO, I DO』は、かなり昔のことになるが、FM大阪の平日朝(6:00から7:00だったと記憶している)の番組の一コーナーのバックに流れていた曲として使われていたことがあった。

そして、ABBAと言えば絶対的に外すことの出来ない名曲の登場となる。この曲は世界的大ヒットとなり、'70'sサウンドの一つの頂点でもある名曲であり、曲名を記す必要など無いだろうが、一応記しておく。そう、『Dancing Queen』である。この曲に関しては、何も語る必要はないでしょう。とにかく、久しぶりにこの曲と接するということもあって、しばし聴き入ることに...(ご存知ない方は殆どいないでしょうが、そういう方は一度は聴きましょう。)

続いては、ややポップス路線になり、最近ではバラエティ番組でよく使われている『Money, Money, Money』、じっくり聴きたいという気にさせてくれる『Knowing Me, Knowing You』と『The Name Of The Game』、更に『Take A Chance On Me』が続く。やはり、ABBAの(二人の女性の)歌声というのは素晴らしいもので、この頃のABBAサウンドはまさに世界を制覇したハーモニーであり、芸術の領域に達している。

で、DISC 1のラストは、発表された1978年の時代ならではのディスコ調の曲『Summer Night City』となる。この1曲だけは、他の12曲と完全に毛色が違うものである。また、1曲前(『Take A Chance On Me』)は1977年発表の曲でもあることから、Disc 1は『Take A Chance On Me』までの5年間の曲12曲で幕として、『Summer Night City』はDisc 2に入れた方が良かったように思える。(但し、そうなると『Chiquitita』で始まるDisc 2のイメージも変わってしまうか...)世の中がディスコ・ブームということもあって、そういう流行を取り入れるということは悪いことではないので、それを否定することはしない。また、この曲はABBAの楽曲の中でもテンポの良い曲という別の価値もあり、この曲はこの曲自身で十二分に評価することは出来る。(でも、この時期、猫も杓子も「ディスコ・サウンド」だ、なんていう状況になっていた。あのKISSまでもが「ディスコ・サウンド」なんていう宣伝が行われていたが、KISSのサウンドはどう転んでも「ディスコ・サウンド」とは言えない代物である。)要するに、あまりにも本アルバムの構成が悪い、としか言いようがないのである。(でも、CD再生であればそういう不満が出てくるが、HDDに録り込んでしまえば、そういう不満は解消に向かう。技術の進歩が人間の感情を制御できるようなレベルに達したかと思うと、これはこれで凄いことになる。)

ということで、DISC 1の約46分に及ぶ音楽旅行の前半は幕となる。で、トイレ休憩を間に挟み、Discを入れ替えて、DISC 2の10曲(約46分)の音楽旅行に出る。

まずは『Chiquitita』で幕が開く。トップの曲がこういう素敵なメロディ・ラインとハーモニーを持っているものになると、やっぱりそのDISCの収録曲をじっくりと聴き入ってしまいたくなるものである。(ということで、ここでも『Summer Night City』をどちらのDISCに入れたらいいのか、ということで迷走することにもなってしまう。)この曲もABBAサウンドの真骨頂が発揮されている名曲であり、美しい歌声、素敵なメロディ・ラインにうっとりとしてしまう。この曲は1979年に発表されたが、'70'sを代表する名曲の一つである。また、国際児童年を記念する曲になっていたのではなかったっけ...

で、次からは、ディスコ・ブームの影響下にあったことを匂わせるナンバーが続くことになる。『Does Your Mother Know』『Voulez-Vous』『Gimme! Gimme! Gimme!(A Man After Midnight)』の3曲である。しかも、ディスコ・ブームにあるとは言ってもABBA特有の美しいボーカルもあって、元気が出てくることになる。やはり、曲調が少し違っていてもABBAはABBAなのである。(これを考えたら、再び『Summer Night City』はDISC 2に収録しても良かったのでは、という考えが浮上してくる。)

楽しいナンバーに続いては、今度はまたじっくりと聴かせるナンバーとなり、『I Have A Dream』『The Winner Takes It All』『Super Trouper』『One Of Us』と続く。いずれもが心を洗われる美しいナンバーであり、1980年代になっても、その美しさは変わらない。それどころか、益々磨きがかかっている。いずれもが、いかにもABBAらしい名曲である。『One Of Us』のコーラスとなると、もはや美しすぎる。かつて、この曲を聴いて涙が浮かんできたことがあるのだが、それが甦る。しかも、今回は『The Winner Takes It All』『Super Trouper』『One Of Us』と連続しているのだから、もう止まらなくなる。こうしてまたも「涙腺ゆるゆるモード」を突き進むことになる。(今週は、それでなくてもこのモードが進行しているのですが...)

そして、その路線は更に続き、ミディアム・テンポでじっくりと聴かせる『The Day Before You Came』、ちょっと実験的な要素のある『Under Attack』となり、ABBAの世界にひたる音楽旅行の旅は終着駅に到着する。

今回のアルバムは、シングルを集めたものであるため、ABBAの音楽については骨格部分に触れたという程度にしかならない。しかし、ABBAのサウンドをじっくりと聞いたことの無い方には取っつきやすいことになるだろう。また、ABBAを知っている方は、ここを足場としてこれまでに発表された数々のアルバムの方をじっくりと聴くというステップに進んでもらえれば、と思います。

今回のアルバム、廃盤になっているのか、欧州版ということで珍品すぎるのか、ということで見つかりません。また、訳の分からない会社がオムニバスとして編集したものではなく、ABBAのレコードをリリースしている「Polydor」からリリースされたものです。また、結成25周年を記念しての27枚組のシングル集でもありません。ということで、知られていないアルバムを持っているということは、コレクターとしては嬉しく思うのですが、素性がはっきりしないというのは...

よって↓はABBAのベスト盤と言えるアルバムにしました。(あまりにも定番過ぎますが...)


 

Gold

Gold

  • アーティスト: Abba
  • 出版社/メーカー: Polydor / Pgd
  • 発売日: 1993/09/21
  • メディア: CD


コメント(3)  トラックバック(1) 
共通テーマ:音楽

コメント 3

Samansa.

Abbaかぁ~♪
これもかなり懐かしいですねぇ☆
でも今聴いても全然古臭くない感じがするのは
私だけかしら…?
ところで…ベガルタ仙台の応戦歌の中にkissの
曲がありますよねぇ~?
Kissってハードロックで奇抜なメイクですが
メロディーラインはしっかりしてますねぇ~♪
大人数で唄ってるKissの歌聴いてそう思いました。
by Samansa. (2005-11-09 23:27) 

nr (http://blogs.dion.ne.jp/lament/)

はじめまして。1ヶ月前より、ここをストーキングしている者です。ABBAのベスト盤には、もう「アスタ・マニャーナ」は入らなくなってしまいました。「スーパー トゥルーパー」のレコード盤買って以来、いつか、1枚入手したいなぁと思っていますが、なかなかベスト選曲のものに巡り合えません。マイク オールドフィールドが「アライバル」をカバーした時、本家よりもABBAっぽいんで笑ってしまった事があります。
by nr (http://blogs.dion.ne.jp/lament/) (2005-11-10 13:29) 

キヨさん

ABBAのCDは持たないけれど、
『Dancing Queen』はいつ聞いても名曲ですね。
by キヨさん (2006-03-30 02:00) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。