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WYNONNA JUDD『TELL ME WHY』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1993年にリリースされた彼女のソロ・アルバムで、なかなかいいサウンドを奏でている隠れた名盤である。彼女はJUDDSというグループで母とのデュオでデヴューしていて、カントリー界では実績のある存在である。そんな彼女がリリースしたソロ・アルバムは、本アルバム以外にもあるが、本アルバムはカントリーという世界に留まらず、ポップスの世界にも場を広げ、カントリーとポップスの融合を図っているいいアルバムである。

まずは『Tell Me Why』という軽快なポップスで幕が上がる。カントリー界の姫がこういう世界を奏でてくれるのは嬉しいところである。続く『Rock Bottom』はカントリーのテイストを持ったボーカル・ナンバーで、彼女の厚みのあるパワフルなボーカルを堪能できる。これに続く『Only Love』はシンプルなメロディ・ラインのカントリー・テイストの一曲で、じっくりと聴かせてくれる。続く『Let's Make A Baby King』はミディアム・テンポのボーカル・ナンバーであるが、ロックのエッセンスが利いているだけでなく、パワフルな彼女のボーカルが楽しめる一曲である。

続く『Is It Over Yet』はバラード・ナンバーで、ここではピアノによるメロディと、伸びのある彼女のボーカルが魅力的な一曲、これに続くのはSheryl Crow作の『Father Sun』で、ロックのエッセンスが微かにするボーカル・ナンバーであるが、ちょっとメロディアスな一曲でもある。続くはカントリー界で活躍するMary-Chapin Carpenterの作による『Girls With Guitars』で、この曲はカントリーであるが、リズミカルでテンポの良いナンバーであり、'70'sのカントリー・ブームの時のサウンドを彷彿させてくれるロック寄りの一曲でもある。('90'sだったら、ポップ寄りのカントリーとでも言うべきか...)ということで、カントリー界での存在感をここでも発揮している。

続く『Just Like New』はロックのビートの一曲で、ミディアム・テンポのリズムに乗せて、ちょっとミステリアスな印象を醸し出すパワフルなボーカルが魅力である。続く『I Just Drove By』はじっくりと聴かせるカントリー・ナンバーで、とてもメロディアスな一曲である。こういうところで、カントリーの良さをも感じることが出来る秀作である。そして、ラストは彼女の母・Naomi Judd作の『That Was Yesterday』であり、この曲もじっくりと聴かせるボーカル・ナンバーで、スローなテンポのバラードであり、そのサウンドとボーカルがハートフルな暖かさを醸し出している。

'90'sとなり、アメリカではカントリーの大ブームが巻き起こったが、本アルバムはそのカントリー勢の中から出てきたポップス系のソロ・アルバムということで、これは時代の流れからすれば必然であったと言うことが出来る。しかし、そういう形で登場する作品の中には内容が伴っていないで、単に「流行」という勢いだけに乗ったものが多数ある。しかし、本アルバムはそういうものとは違って内容があり、質が高いのである。(でも、どういう訳か、今ひとつ評価されていないという所もあります。→こういう作品は実は多いのですが...)本アルバムはじっくりと聴いてもらいたいアルバムでもあり、そういうことで正当な評価をされるようになってもらいたいアルバムである。(少なくとも、'90'sのカントリー界を語る上では欠かすことの出来ない一枚である。)

 

Tell Me Why

Tell Me Why

  • アーティスト: Wynonna Judd
  • 出版社/メーカー: Curb Records
  • 発売日: 2004/05/04
  • メディア: CD


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