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QUEEN『INNUENDO』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1991年に発表されたアルバムであるが、事実上のQUEENのラストアルバムであり、本アルバム発表から約9ヶ月後にフレディが逝ってしまった。本アルバムは、そのフレディが全ての勢力を注ぎ込んだものであり、全てが素晴らしい芸術アルバムの一枚として完成している。長いキャリアがあり、数多くのアルバムを発表している彼らであるが、そんな彼らのアルバムの中でも本アルバムは間違いなく一、二を争う傑作であり、名盤である。これがQUEENのサウンドだ、ということを主張していて、当然のことながら歴史にその名をしっかりと刻み込んだアルバムでもある。また、収録されている全12曲の曲の構成にも、涙抜きでは語れないドラマがある。

まずは名曲『Bohemian Rhapsody』を思わせるスケールの大きな一曲『Innuendo』で幕が上がる。6分半のこの大作によって、いきなり彼らの世界に聴く者を引きずり込み、圧倒的なパワー、迫力で凌駕してしまう。(ということで、いきなり感動の涙となる。)続く『I'm Going Slightly Mad』はいかにも彼ららしいメロディラインのロック・チューンであるが、フレディの鬼気迫るボーカルの前では何も言えなくなってしまう。続く『Headlong』はアップ・テンポでノリのいいロック・ナンバーであるが、'80'sのポップな彼らのサウンドをベースに'70'sの彼らのテイストが融合したナイスな一曲であり、続く『I Can't Live With You』にその魂が受け継がれていて、こちらはいかにも彼ららしいポップであり、それでいてロックの魂のこもった一曲である。

続く『Don't Try So Hard』はスローなテンポの曲であるが、'70'sの彼らのサウンドの特徴でもあるオーケストラを使ったスケールの大きな曲を思い起こさせてくれるスケールの大きな一曲であり、メロディアスなメロディラインに感涙してしまう。続く『Ride The Wild Wind』はテンポの良いパワフルなロック・チューンであるが、曲中のコーラスがいいスパイスとなっているスケールの大きな一曲である。続く『All God's People』は、冒頭のフレディのシャウト、コーラスの圧倒的なパワーに制圧されてしまう'70'sの彼らのサウンドを彷彿させるミディアム・テンポの一曲である。

続く『These Are The Days Of Our Lives』はミディアム・テンポのボーカル・ナンバーであるが、歌詞の方に注目の一曲である。更に続く『Delilah』でも熱く歌うフレディのボーカルと甦る'80'sのQUEENサウンドには感激の涙となる。続く『The Hitman』は'70'sのハード・ロック時代のサウンドを甦らせていて、とにかくパワフルなサウンドに、ブライアンのギターが唸っている。(本アルバムではフレディが完全に中心であるが、彼もまた存在感を示している。)続く『Bijou』でも、ブライアンのギターが冴えわたっているが、それと共にフレディのボーカルが圧倒的な世界観を築き上げる静かなスローテンポの一曲である。

ラストを飾る『The Show Must Go On』は、フレディのラストを飾るにはあまりにも哀しくなってしまう一曲であり、その美しすぎるメロディ・ライン、ハーモニーの美しさ、ボーカルの存在感、フレディが託したメッセージ、サウンドのスケールの大きさ、築き上げられる世界観、その全てが卓越した一大傑作として一つに纏まっている。(この曲を傑作、名曲と呼ばないのであれば、この世に名曲というものは存在しなくなってしまう。)これぞ、フレディが、QUEENが最後に放った名曲中の名曲である。「名曲はいつの時代でも名曲である」のだが、それは原曲(オリジナル)が輝き続けているということと、多くの人たちがカバーをすることで新たな魅力を加えて輝くということがある。しかし、この曲をカバーできるようなアーティストもまた存在し得ない。(この曲に関しては前者の「原曲(オリジナル)が輝き続ける」ことで、永遠の名曲となることしかあり得ない曲である。)

既に自分の死期を悟っていたフレディ、音楽にかける熱い情熱の全てを注ぎ込んだ本アルバムは、まさにフレディの魂のメッセージでもあると同時に、彼の音楽生活の全てを総括するものでもある。それだけに、聴いていても涙が浮かんでくる曲が続く。(本アルバムを聴いて感じ取るものが何も無いという方は、即座に人間を止めるべきである、と言ってよいだろう。)

本アルバムはセールス的には驚くべき数字を残したものではないが、歴史に残る名盤というのは、本アルバムのように意外とセールス的には大したことがないものというのが実際の所、数多くある。(一般大衆にまではその素晴らしさが100%伝わらないということなのだろうか?)が、セールスの記録というのは商業的な尺度で考える時に必要なものであり、芸術性で考える場合には全く不要なことでもある。セールスの記録に左右されず、本アルバムのような熱い魂の叫びのあるアルバムは積極的に聴いてもらいたい所である。尚、これは当然のことであるが、QUEENを語ろうというのであれば、本アルバムを聴いていなければその資格はない。(モグリということになる。)

「たられば」という話になってしまうが、フレディが生き続けていたら、更にどれだけ熱い魂のサウンドを生み出していたことであろうか。少なくとも混迷の'90'sサウンドは完全に違ったことになっていたと思うのは当然のことであろう... フレディよ、永遠なれ!

 

Innuendo

Innuendo

  • アーティスト: Queen
  • 出版社/メーカー: Hollywood Records
  • 発売日: 1991/02/05
  • メディア: CD


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コメント 2

ELTING

はじめまして。ELTINGといいます。
僕は邦楽ではELTの大ファンなんですが、洋楽ではQUEENが大好きです。大好きと言ってもファン暦も浅く、まだまだ知らない曲がたくさんあります。
そのなかでもThe Show Must Go Onはお気に入りで、いつもこの曲を聴くたび背筋がぞくっとします。フレディの魂が伝わってくるような気がします。 本当に名曲中の名曲だと思います。 The Show Must Go Onはフレディが歌うからThe Show Must Go Onなのであって、他の人がカバーしたらきっと違う曲になってしまう気がします。
僕はぜひカバーせず、フレディが歌うこの曲を残しておきたいです。
by ELTING (2006-01-11 22:08) 

Samansa.

Queen記事とは全然関係なくて申し訳ない…
U2来日情報ありがとうございました♪
http://www.u2.com/tourinfo/
↑の公式情報にも載りましたねぇ~♪
次の公演予定がホノルルの4/8みたいなので
追加公演はありそうななさそうな…
関西であれば行きたいです(>_<)
でもその頃はJリーグも始まってますしね…
( -。-) =3
情報ありがとうございましたm(_ _)mペこ
by Samansa. (2006-01-12 16:31) 

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