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WENDY JAMES『NOW AIN'T THE TIME FOR YOUR TEARS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは、'80's後半にトランスヴィジョン・ヴァンプというバンドで活動していたWENDYのソロ・デヴューアルバムで、1993年の作品である。注目されるのは、全部の曲がエルヴィス・コステロの書き下ろしということ。(でも、ヒットということにはならなかった。)アルバムジャケット(amazonでは、それがありませんでした。)がカントリー・シンガーっぽく、「ドリー・パートンの若い頃?」と思ってしまうあたりが、ロックのアルバムとしては失敗だったように感じてしまう。また、コステロの力に頼ってもヒットに繋がらないということで、これも混迷の'90'sということを感じさせてくれる結果となった。

まずは元気なロック・ナンバーの『This Is A Test』でスタートする。この曲の勢いからすれば、GO-GO'Sの登場した当時のことを彷彿させてくれるのですが... 続く『London's Brilliant』も同様のロック・ナンバーであり、活きの良いところを見せてくれている。続く『Basement Kiss』はスローなバラード・ナンバー、『Puppet Girl』は立ち上がりのパワー、活きの良さが(残念ながら途中で失速している)ロック・チューン、『Earthbound』はスローなテンポのロック・チューンで、ドラムがグイグイと引っ張っていく一曲である。

後半の一曲目となる『Do You Know What I'm Saying?』はバラード調のボーカル・ナンバーであり、続く『We Despise You』はアコースティック・ギターが印象的な一曲であり、サビの部分では彼女の元気なところが発揮されているロック・ナンバーなのだが、ジャケット写真の影響なのか、カントリー・ロックという印象を受けてしまう。続く『Fill In The Blanks』はアップ・テンポでノリのいいロック・ナンバーであり、勢いと力強さのある一曲、続く『The Nameless One』はちょっとエロさのあるボーカルが印象に残るファンキーなロック・ナンバーである。ラストを飾る『I Want To Stand Forever』はスローなテンポのバラードナンバーであり、スケールの大きなドラマティックな一曲である。

今回、彼女を取り上げたのは、「W」で始まるアーティストも枯渇しかかっているためでもある(ここに登場するアルバムは、筆者が所有しているということが第一条件である。)のだが、大ヒットを記録したアルバム、「名盤」と言われているアルバムばかりでは面白くなく、たまにはこういうアルバムを取り上げることで何かの新たな出会いが生まれれば、とも思う次第である。

が、本アルバムを駄作だとは言わない。というのは、良いアルバムに仕上げようという彼女の真摯な姿勢が本アルバムに収録されている全ての曲からも感じられるからである。またそれはソロ・アーティストとしての新たな道に賭けるという彼女の熱いハート(魂)の叫びでもある。アーティストの心からの叫びを感じ取ることの出来るアルバムというのはそうそう出会えるものではない。(ここで言う「叫び」とは、単なるメッセージや芸術的世界ではなく、本当の魂の声である。)ということで、ソウルフルな音楽がお好きな方と、コステロのファンの方は必聴という、ちょっと変わった女性ロック・アルバムである。

↓ジャケットの画像がないのが残念ですが...

Now Ain't Time for Your Tears

Now Ain't Time for Your Tears

  • アーティスト: Wendy James
  • 出版社/メーカー: Geffen Records
  • 発売日: 1993/05/11
  • メディア: CD

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