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BOOMERANG(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

アルファベット順のローテーションで進めているものの、「X,Y,Z」という文字になると既に枯渇しているので、この部分はサントラ盤ということにしている。ということで、4廻り目のローテーションもそろそろ幕となります。(当然、5廻り目に行きます。)また、この記事が1500件目の記事ということになったが、まだまだ現在の路線で進めていきます。

今回は1992年の作品である「ブーメラン」である。この映画は、レジナルド・ハドリン監督、エディ・マーフィ主演のコメディ作品である。(共演者としては、後に「007」でボンド・ガールになるハル・ベリーの名前がある。)が、本作品は何と言ってもサントラ盤が豪華な顔ぶれ(黒人アーティストたちが中心)により大ヒットを記録したことが忘れられない。

特にBOYZ II MENの『End Of The Road』は、今でこそ記録を破られているものの、当時としては新記録となるBillboardのシングル・チャートで13週連続1位という大記録を打ち立てた超ヒット曲である。(それまでの記録は10週連続で、デビー・ブーン(1977年)とオリヴィア・ニュートンジョン(1981~1982年)が記録していた。)当然、1992年の年間シングル・チャートでも1位を獲得した。(13週と言えば3ヶ月丸々である。)10年以上も誰も達成できなかった偉業を成し遂げたのであるが、この曲の次(これは2週間1位でした)の次に1位に立ったWhitney Houstonの『I Will Always Love You』が14週連続1位を獲得し、あっさりと記録を更新されてしまった。(こちらは映画「ボディガード」の主題歌で、1993年のBillboard年間シングル・チャートで1位となっている。)

そんなこともあり、1992年のBillboard年間アルバム・チャートでは39位に、レギュラー・チャートでも最高位4位を記録するヒットとなった一枚である。'90's前半のブラック・ミュージックは時代をリードする牽引車的な役割を果たしたが、それを語る上でも本サントラ盤の存在は忘れてはならないものである。(オムニバスのヒット曲集というにはあまりにも豪華すぎる。)

収録されている曲は全12曲であるが、ヒット曲ばかりが集まっている。まずは『Give U My Heart』(BABYFACE)という所で幕が開くが、ここではTONI BRAXTONと組んだBABYFACEというように、豪華な顔ぶれになっているのも嬉しいところである。続く『It's Gonna Be Alright』(AARON HALL)も「featuring CHARLIE WILSON」となっていて、ノリの良いダンス・チューンとなっている。
続く『Tonight Is Right』(KEITH WASHINGTON)や『I'd Die Without You』(P. M. DAWN)は、ともにじっくりと聴かせるバラード調の大人のボーカル・ナンバーであり、しっかりと手綱を締めてくれる。

続く『7 Day Weekend』(GRACE JONES)はパワフルなボーカルが力強く引っ張っていくファンキーなダンス・チューン、そして、超大ヒット曲である『End Of The Road』(BOYZ II MEN)の美しいハーモニー(この曲については、先に述べたので、ここでは省略する。)を挟んで、力強いボーカルとコーラスによるダンス・チューンである『Reversal Of A Dog』(LaFACE CARTEL)がミラー構成のようにG. JONESの曲と共に名曲の両側で存在感をアピールする。(こういう曲の構成というのも一つの醍醐味である。)

続く『Love Shoulda Brought You Home』(TONI BRAXTON)はTONIの迫力あるボーカルがミディアム・テンポのリズムに融け合い、じっくりと聴かせてくれるボーカル・ナンバーであり、続く『There U Go』(JOHNNY GILL)ではJOHNNYが男性ボーカルとしてTONIの後を追って、こちらもじっくりと音楽を聴かせてくれる。(ちょっと心憎い構成でもある。)

続いては『Don't Wanna Love You』(SHANICE)がミディアム・テンポのダンス系リズムを披露してくれ、これに応える形で『Feels Loke Heaven』(KENNY VAUGHAN)がアカペラで美しいハーモニーを聴かせてくれる。そして、それらのトリを務めるのが『Hot Sex On A Platter』(A TRIBE CALLED QUEST)で、いかにも'90'sのビートというラップ系のナンバーで締めてくれる。

サントラ盤が有名アーティストたちの集結する一つのイベントのような豪華なものとして完全に確立したのは、'80年代中期の「FOOTLOOSE」の大ヒットからであるが、'80'sの豪華サントラというのはお子様ランチのように幅広いジャンルのアーティストたちが集っていたものである。が、'90'sになると、'80'sからの血筋のものもあるが、洗練されたものが現れるようにもなる。本サントラ盤はブラック・ミュージックを中心としたダンス系ナンバーが集まっていて、ダンスの合間にはじっくりと聴かせる曲ということで、美しい名曲を配置し、更に、男女ということをペアになる同系列の曲を巧みに配置したことによって、サントラ盤にあるにもかかわらず、一つのテーマとドラマ性を持たせることに成功している。

映画の興行成績は超ヒットというものではなく、何度も見たくなるような物語でもないものの、サントラの方は間違いなく何度も聴きたくなる名曲が詰まった超一級品である。('90'sの歴史に残る名サントラ盤である。)

 

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  • アーティスト: Original Soundtrack
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  • 発売日: 1992/06/30
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ブーメラン

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