THE ROCKY STORY(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
映画「ロッキー」シリーズは現在までに5作品が制作、公開されている。この6作目を製作するという話が流れたが、「5」からも15年以上の歳月が流れている。ロッキーの息子ですら既に現役を引退していてもおかしくない年齢に達しているだけに、本気なのかと疑ってしまうのだが...
まあ、そういう所は忘れるとして、本アルバムは1990年にリリースされたシリーズのヒット音楽を集めたものである。（収録曲は全9曲、あのヒット曲が堪能できる。）選曲は何と言っても「4」が中心であるものの、印象の強いインストのオープニング・テーマをはじめ、代表曲、スコアも収録されているので、大きな不満はないアルバムである。
まずは「3」からの大ヒット曲である『Eye Of The Tiger』(SURVIVOR)である。この曲はBillboardのレギュラー・チャートでも6週連続1位を獲得し、更に1982年の年間シングル・チャートでは、当時のタイ記録である10週連続1位を獲得したOLIVIA NEWTON-JOHNの『Physical』に次いで、堂々2位に輝いている。ということで、「ROCKY」と言えばこの曲だ、という方もおられるであろう。とにかく、小気味良いロック・サウンドを聴かせてくれる。（SURVIVORの最高傑作と言える一曲でもある。）続いては「4」からとなる『Burning Heart』(SURVIVOR)。この曲はパワフルなロック・チューンであり、悪い曲ではないのだが、名曲『Eye Of The Tiger』の後に控えることになると、どうしても霞んでしまうのがちょっと残念な曲順構成である。
更に、同じく「4」から、アメリカの御大がパワフルに熱唱した『Living In America』(JAMES BROWN)が熱く、パワフルに登場する。続いても「4」からの『No Easy Way Out』(ROBERT TEPPER)が、ちょっとソウルフルに心の悲しみを囁くかのように聴かせてくれるロック・チューンの登場で、1作目からの名シーンの数々が自然と頭に甦ってくる。そして、その盛り上がりを締めてくれるのは「4」のエンディングを飾ったテンポの良いパワフルなナンバーの『Hearts On Fire』(JOHN CAFFERTY)である。
「4」を中心としたお祭りはここまでで、この後はがらりと曲が変わることになる。まずは「ロッキーのテーマ」として知られている『Gonna Fly Now』(THE ROCKY ORCHESTRA)のコーラス入りのものが登場となる。『Eye Of The Tiger』に「ロッキー・シリーズのテーマ」という地位を奪われた感があるのは否めない所であるが、5分弱のフルを聴くと、メロディといい、コーラスの取り入れ方といい、実にドラマティックな構成でスケールの大きさを感じる名曲であることを感じる一曲である。続くは「4」のスコアから2曲、『War』と『Training Montage』(共にVINCE DICOLA)ということで、これまた名シーンが浮かんでくる。
そして、ラストを飾るのは、『Gonna Fly Now(Instrumental)』(THE ROCKY ORCHESTRA)であるが、こちらの方はコーラスが入っていないだけでなく、イントロはピアノ・ソロで始まり、そこからオーケストラ・サウンドに広がっていくドラマティックなアレンジとなっている。
映画「ロッキー」シリーズは、その第1作はアカデミー作品賞と監督賞を受賞している作品である。それが、いつの間にかヒーローのようになり、「4」では「強いアメリカ」を象徴する所まで行ってしまった。で「5」では再び人間ドラマとなっている。ということで、感動の物語から娯楽性を追求した作品まであり、色々な意味でも楽しめるシリーズ作品である。（でも、「6」は正直言って勘弁して欲しいところでもある。）そのシリーズを代表する音楽（娯楽色の最も強い「4」中心というのは、「4」は音楽の面でもエンタメ性を高めているからである。）が集まった本アルバムは、実に嬉しい一枚である。また、聴いていても元気が出てくる一枚でもある。何かあったとき、本アルバムを聴いて元気を出しましょう！
The Rocky Story: The Original Soundtrack Songs From The Rocky Movies (Soundtrack Anthology)
- アーティスト: Various
- 出版社/メーカー: Scotti Bros.
- 発売日: 1991/07/01
- メディア: CD
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