AMY GRANT『HEART IN MOTION』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1991年に発表されたものであり、大ヒットを記録した一枚であり、彼女のハートフルなボーカルを堪能できる一枚である。また、Billboardのレギュラー・チャートでは最高位10位、1991年の年間アルバム・チャートでも15位を記録するというように、大ヒットしている。これまでも味のあるボーカルを聴かせていた彼女であるが、本アルバムはポップな所も十二分にあって、とても聴きやすい一枚である。また、全米No.1を獲得した『Baby Baby』をはじめ、粒ぞろいの秀曲が詰まっている。
まずは『Good For Me』という適度なポップスで幕が上がる。(この曲もシングル・カットされて全米8位まで上昇するヒットを記録している。(1992年のBillboard年間シングル・チャートで52位にランクイン))優しく、それでいて力強いボーカルが活きた一曲である。続く『Baby Baby』は2週間全米No.1の座を獲得した大ヒット曲で、1991年のBillboard年間シングル・チャートでも10位に輝いている。(ちなみに、'91年は27曲が1位に輝いているので、2週間1位というのは大きなヒットです。)メロディアスな曲に乗せて、優しいボーカルが印象的な一曲である。続く『Every Heartbeat』もシングル・カットされて全米2位(同年の年間シングル・チャートでは28位にランクされている)まで上昇したヒット曲で、テンポの良い明るいポップス・ナンバーである。
続く『That's What Love Is For』は優しいバラードで、メロディアスな曲と共に、彼女の魅力を巧みに引き出している佳作である。続く『Ask Me』は小気味の良いテンポのポップ・ナンバーで、ハートフルなボーカルが魅力の一曲、続く『Galileo』も同様にテンポの良いポップスであるが、この曲ではサビの部分に入るコーラスがとても魅力的である。
『You're Not Alone』はちょっとメロウなメロディ・ラインのポップ・ナンバーであり、厚みがありハートフルな彼女のボーカルが冴え渡っている。続く『Hats』はロックのテイストが入ったリズミカルなポップ・ナンバーであり、パワフルな彼女のボーカルを堪能できるナイス・チューン、続く『I Will Remember You』はややスローなテンポのボーカル・ナンバーで切々と歌う彼女のボーカルが魅力的なバラード調の一曲、続く『How Can We See That Far』はメロディアスな曲に乗せてハートフルなボーカルが魅力を振りまいているボーカル・ナンバー、ラストを飾る『Hope Set High』もスローなテンポで展開されるバラード調の一曲である。(ちょっと、ポップスのエッセンスが利いています。)
女性ボーカルのアルバムは数多いが、本アルバムはハートフルなAMYのボーカルがポップス調の曲と融合し、とても聴きやすいものが集まっている。本アルバムで大ヒットを記録する以前の彼女もハートフルなボーカルが魅力であったが、本作ではそれがポップスというエッセンスによって新たな花が咲いたように素晴らしい世界を見せている。当時はマライアやホイットニーといったところが歌姫の座を争っていたが、ハートフルで落ち着いたボーカルを堪能出来るのはAMYである。(キャリアもAMYの方が長い。)本アルバムは'90's初頭を語る上では忘れることの出来ない一枚であるが、心温まる曲があるということから、側に置いておいて時々聴きたくなる一枚でもある。じっくりと聴き込んで欲しいアルバムでもある。
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