SSブログ

BRYAN FERRY『MAMOUNA』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1994年に発表されたソロ・アルバムである。FERRYと言えばROXY MUSICの顔であるが、彼はソロとしても多くのアルバムを発表してきている。相変わらずのFERRY節を聴かせてくれていて、健在ぶりを証明している。(でも、名作「BOYS AND GIRLS」には及ばない。)混迷の'90'sということもあってか、FERRYも迷っているように感じるものの、それでも彼のサウンドが健在というのは嬉しいことである。

ROXYのサウンドでもあり、FERRYらしい印象の『Don't Want To Know』で幕が開くが、ハートフルなボーカルとメロディ・ラインが印象的な一曲である。続く『N.Y.C.』はパトカーのサイレンという効果音で始まるちょっと幻想的な印象の一曲であるが、この不思議な世界がラストまで続くことになり、消化不良気味な所として残ってしまう。とは言っても、実にFERRYらしい曲である。ちなみに「N.Y.C.」とは「New York City」のことである。続く『Your Painted Smile』はスローなテンポの曲で、FERRY流のバラードと言ったものであり、じっくりと彼のサウンドを堪能したいところである。

続くはアルバム・タイトル・ナンバーとなる『Mamouna』である。この曲はスケールの大きな一曲であるが、今ひとつFERRYのボーカルに曇りがあるところが残念なところになってしまう。(それでも、サウンド的には彼らしさを発揮している。)続く『The Only Face』はまたもFERRY節が冴えわたる一曲で、哀愁感漂うボーカルが秀逸である。

続く『The 39 Steps』はやや加速したテンポのイントロで何かを期待させてくれるが、通常のFERRY節で終わってしまう一曲。(本アルバムでは、曲によっての出来の差が大きい。)続く『Which Way To Turn』はFERRYのボーカルが幻想的なメロディ・ラインと旨くマッチした一曲で、ややスロー気味で進む曲が深い味わいのある世界を構築している。続く『Wildcat Days』はアップ・テンポで進むFERRYらしい世界観の一曲であるが、サウンド的にはちょっと欲張った感じがしないでもない。ただ、本アルバムの中ではテンポが最も良く、エレ・ポップがお好きな方だったらば満足できるであろう。

続く『Gemini Moon』はポップのエッセンスの利いたナンバーであるが、相変わらずのFERRY節の一曲である。幻想的な世界に誘ってくれるメロディは相変わらず美しい。ラストを飾る『Chain Reaction』はややスロー気味のナンバーで、じっくりと聴かせる一曲で、FERRYのボーカルが哀愁感たっぷりと堪能できる。(が、ラストを飾る曲としたら、ちょっと物足りなさもある。幻想的な世界を締めるには、まあ悪くはないナンバーではある。)尚、この曲名からJOURNYの同名異曲のパワフルなロック・ナンバーを思い出したが、そちらしは全く世界観の異なる曲であるのは記さなくても常識としてお分かり頂けるであろう。(蛇足でした。)

今回は彼のソロとしては最高傑作と言える「BOYS AND GIRLS」をあえてチョイスせず、今ひとつ評価が高くないアルバムをピックアップしたが、これも'90'sという時代が如何に「混迷」していたかということを言いたいためである。クオリティとしたら決して悪いものではないのだが、時代がマイナスの要素をアーティストに影響を与えているのは明らかであり、FERRYといえどもその呪縛からは逃れることが出来なかったということになる。それでも、彼らしい所は発揮しているので、ROXYのサウンドがお好きな方にはお奨めです。(エレ・ポップのお好きな方にも聴いてもらいたいところである。)

 

Mamouna

Mamouna

  • アーティスト: Bryan Ferry
  • 出版社/メーカー: Virgin Records
  • 発売日: 1994/09/20
  • メディア: CD


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。