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DEF LEPPARD『HYSTERIA』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1987年に発表されたアルバムであり、彼らとしては通算4枚目である。また、本アルバムは当然のように大ヒットを記録し、そのサウンドの美しさは'80's後期に名盤としてしっかりと名前を刻み込むことになった。尚、リリースの時期の関係もあり、1987年のBillboard年間アルバム・チャートでは93位であるが、翌1988年の年間アルバム・チャートでは堂々の3位にランクインしている。また、レギュラー・チャートでも2度の1位返り咲きを含む通算6週間No.1の座を獲得した。(最初は2週間、続いて1週間、2度目の返り咲きでは3週間君臨した。)まさに記録づくしとなった一枚である。しかも、シングル・カットすれば大ヒットにつながり、全米No.1を獲得したのは1曲であるが、7曲ものヒットが飛び出した。(こうなると、半分「ベスト盤」という感覚にもなってしまう。)サウンドの方も、その記録に負けない内容の高いものとなっていて、ビッグ・セールスとなった前作「PYROMANIA」を越えるものとなっている。全体的にスローなテンポのバラード系やポップス寄りの曲が多いが、ロック・スピリッツを見失うことなくロックしています。

まずは『Women』の迫力あるサウンドによって幕が上がるが、スローなテンポながらも厚みのあるパワフルなサウンドを聴かせてくれる。続く『Rockt』はタイトルの通り、ロケットの打ち上げ音が冒頭に入っていて、小気味良いテンポでハードなサウンドが繰り広げられる。と同時にコーラスの美しさも堪能できるハード・チューンとして6分半という時間の長さを感じさせないナイス・チューンとして仕上がっている。続く『Animal』はテンポのいいロック・チューンであり、彼らにしたら軽いものであるが、実に聴きやすいナンバーである。続く『Love Bites』は全米No.1ヒット(1988年のBillboard年間シングル・チャートでは30位)となったバラード・ナンバーであり、パワフルながらもメロディアスでスローな一曲でハード・ロック・バンドの奏でるバラードとしては実に美しく、このジャンルにおけるバラードの概念を変えた一曲である。

続く『Pour Some Sugar On Me』はパワフルなややスローなハード・チューンである。尚、この曲はレギュラー・チャートでは最高位2位であったが、1988年のBillboard年間シングル・チャートではNo.1を獲得した『Love Bites』よりも上位の19位にランクされている。(No.1というのは実は相対的なものであり、時期次第だということがよく分かります。)続く『Armageddon It』は実に聴きやすいロック・ナンバーであり、それでいて彼らの美しいハーモニーもあり、パワフルな所もありで、ナイスな一曲である。続く『Gods Of War』はミディアム・テンポのロック・ボーカル・ナンバーである。終盤には戦闘シーンの爆裂音などが効果的に響き、それが印象的でもある。続く『Don't Shoot Shotgun』は小気味の良いテンポでグイグイと力強く走るハード・チューンで、迫力満点の一曲である。(コーラスの美しさもまた魅力的。)続く『Run Riot』も前曲のノリを引き継いで、パワフルに疾走するナイス・チューンである。

続く『Hysteria』はアルバム・タイトル・チューンであるが、ポップのエッセンスが利いたとても聴きやすいナンバーである。尚ねこの曲は'80's中盤以降の「商業ロック」でいかにもヒットしそうなメロディでもあり、ちょっと複雑な感じもしてしまう一曲である。続く『Excitable』はパワフルなハード・チューンであるが、コーラスの美しさも魅力的な一曲である。ラストの『Love And Affection』はミディアム・テンポのロック・ボーカル・ナンバーであり、聴きやすい一曲である。また、メロディアスなギターのサウンドに味があり、「名盤」のラストにふさわしいとてもいい雰囲気を残してくれる。

前作が超大ヒットとなっただけに、本アルバムでは彼らの真価が問われるところであったが、その高まる期待に見事に応えてくれた内容のあるアルバムとなった本作は歴史に残る名盤となった。(これまで、どれだけ多くのアーティストたちが期待を裏切るアルバムをリリースしたことか...)また、前作「PYROMANIA」発表の後、ドラムのリックが交通事故で片腕を失うということになったが、それをメンバー全員で乗り越えてハンデともしなかったメンバーの結束力にも感動です。(→「名盤」の影にはやはりドラマがあるものだが、あまりにもドラマティックなことになりました。)

'80's後期のロック・シーンを語る時、本アルバムは欠かすことの出来ない一枚であり、ポップスがお好きな方でも聴きやすいこともあるので、じっくりと味わってもらいたいアルバムである。(尚、「ロック・ファン」という方は聴いていて当然の一枚である。)

 

Hysteria

Hysteria

  • アーティスト: Def Leppard
  • 出版社/メーカー: Mercury / Universal
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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コメント 1

hideji

当blogへのTBありがとうございました。
また、遊びに来ます。
by hideji (2006-03-28 14:35) 

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