Black Jack -Karte:56 [アニメ]
今回の物語はBJの過去の物語。原作は「友よいずこ」、BGMは映画「カサブランカ」のサントラから「時の過ぎゆくままに」という美しいメロディの曲を聴きたくなったので、このサントラ盤とした。(今回の物語では、こういう哀愁たっぷりの名曲が似合う。)それにしても、今回のサブタイトルは何とかならなかったのだろうか。
ある南国にやってきたBJは、病院で手術を行う。それを終えて昼食に向かうBJとピノコ。タクシーに乗ってレストランへ行き、昼食を。そこで出てきた料理の魚は目の前の美しい海からではなく他から仕入れたものだった。2年前に建てられた化学工場の影響で環境破壊となり、森と海は死んだという。ホテルに向かうBJは工場閉鎖を求めるデモ行進に遭遇する。それを抑えようとする当局は催涙弾を放つ。そんな中、警官側に危うく殴られそうになるBJを助けた男がいた。彼はBJのことを「黒ちゃん」と呼んだ。で、それはBJの幼いときからの友人のタカシだと気づく。
ホテルに戻ったBJはピノコに対してタカシのことを回想する。彼は爆破事故で重傷を負ったBJに皮膚を提供した子供だった。皮膚の色が違いすぎるが、本間丈太郎先生は手術を行い、タカシの皮膚をBJの顔に移植した。ということで、BJの過去が描かれる。
更に、タカシと将来は医者になるという約束をしたこと、復学したBJだったが、タカシは既に転校していたこと、皮膚の移植をやり直した方が良いと言われても「かけがえのない友達の皮膚なんだ」(こういう所はいかにもBJらしい台詞である。)と再手術を受ける気は全くないことを口にしたこと、医者となって世界を渡り歩く中、タカシの行方を捜し続けているが消息が全くつかめないこと、というように次々とBJの過去が登場する。あれから20年以上が経過しているが、そのタカシに今日出会ったという。
そうしていると、部屋の電話が鳴る。それは「黒ちゃんかい?」と、タカシからだった。しかし彼は当局からマークされていただけでなく、BJが知り合いだと言うことで、BJもマークされていた。打ち合わせ通り、ピノコと別れて逃走するBJ。尾行してくる当局の人間を酒場で巻いて遊園地へ。そして夜の遊園地でタカシと再開する。観覧車に乗った三人は近況報告をする。タカシも医者になっていたが、それは地球を治そうとしていた。(環境破壊に対するメッセージを含んでいる今回の物語、本当にゴールデン・アワーに放送される物語なのか...?)タカシは環境破壊を止めるために化学工場の爆破を計画していた。「ガン患者のガンは取るだろう。地球にすくったガンは取り除かなければならない」というタカシの言葉はあまりにも重すぎます。
そうしていると、パトカーが現れて観覧車を取り囲もうとする。催涙ガスを投げ、その隙に海に飛び込んで逃げたタカシ。BJの海を見つめる目があまりにも哀しく哀愁感たっぷりでした。
その後、帰国したBJ。自宅でニュースを見ていると、工場の爆破を計画していた自然保護グループに対して軍隊が強行突入して日本人らしい死者が出たという。画面には倒れているタカシが映っている。
それにしてもあまりにも重いこの言葉。「地球は生きている。今こそ、その地球を治す医者が必要なんだよ」何が出来るのか、考え直さなければなりません。
- アーティスト: サントラ, ワーナー・ブラザーズ・スタジオ・オーケストラ, ドゥーリー・ウィルソン, ハンフリー・ボガート, クロード・レインズ
- 出版社/メーカー: 東芝EMI
- 発売日: 1999/01/27
- メディア: CD
コメント 0