FREDDIE JACKSON『JUST LIKE THE FIRST TIME』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1986年に発表された2枚目のアルバムである。このアルバムは1987年のBillboard年間アルバム・チャートでは20位（レギュラー・チャートでは最高位23位）を記録するスマッシュ・ヒットとなった。が、前年に発表した1st.ソロ・アルバム「ROCK ME TONIGHT」の方が高い評価を受けているが、そちらは1986年のBillboard年間アルバム・チャートでは42位(レギュラー・チャートでは最高位10位)を記録している。ということで、アルバムの評価とチャート順位が完全に逆転しており、チャートというのは完全に音楽性の質を反映していないということを教えてくれている。（この傾向は、'90'sに入ると更に顕著なものとなり、1998年にチャートの改革が行われると、完全に権威を失うことになる。）
'80's前半にブラコンが注目されることがあったが、その血筋を受け継ぎ、更には大人のサウンドに仕上げられた一枚であり、ボーカル好きの方にはお奨めの一枚である。
優しいボーカルナンバーの『Tasty Love』で幕が上がるが、スローなテンポでそっと語りかけるような彼の厚みのあるボーカルが冴えている。続く『Have You Ever Loved Somebody』はコーラスが美しくフューチャーされたボーカル・チューンで、歌唱力の高さを感じさせる一曲でもある。続く『Look Around』は優しいバラードであり、また包み込むような優しさに満ちたハートフルなボーカル・ナンバーである。続く『Jam Tonight』はテンポの良いボーカル・ナンバーで、大人の雰囲気を漂わせるナイス・チューンである。
続いてはアルバム・タイトル・チューンの『Just Like the First Time』の登場となるが、とてもメロウなバラードで、じっくりと聴かせてくれる一曲である。続いてはテンポの良いリズムに乗ったダンス系ナンバーの『I Can't Let You Go』の登場となる。バラード主体の本アルバムの中では元気の出る一曲であるが、こういう曲でも巧みな歌唱技術を持っていることを伺わせてくれます。続く『I Don't Want to Lose Your Love』はスローなテンポのブラコンで、ちょっとメロディアスな曲に乗せて、じっくりと聴かせてくれます。
ここから先ははバラード・ナンバーのオンパレードとなり、『Janay』は優しいバラードで、包み込んでくれるような感じのハートフルなボーカル・ナンバーであり、続く『Still Waiting』は大人のボーカル・ナンバーで、アダルト・コンテンポラリーの王道を行く一曲で、彼の歌唱力が活きた一曲、続く『You Are My Love』はハートフルなバラードで、あまりにも美しい大人のボーカル・ナンバー、ラストを飾る『Little Bit More』はメロディアスなデュエット・ソングであり、MELBA MOOREとのデュエットで大人のサウンドをじっくりと聴かせてくれる。
いつの時代であってもボーカルを中心としたじっくりと聴かせてくれる曲というのは存在する。本アルバムは大人の鑑賞に十分に堪えるものであり、彼の卓越した歌唱力と豊かな表現力が都会的な雰囲気を上手く醸し出しており、聴き応えのある大人のサウンドをたっぷりと聴かせてくれる一枚となっている。更に、本作を聴いた後は内容の高い彼の1st.アルバム「ROCK ME TONIGHT」も聴いていただきたいところである。（まさに、ブラコン、都会的な味わいがする名盤であります。）
- アーティスト: Freddie Jackson
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
↓1st.アルバムです。（こちらもピックアップしておきます。）
- アーティスト: Freddie Jackson
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
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