GOLDEN EARRING『THE CONTINUING STORY OF RADAR LOVE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1989年にリリースされたベスト盤である。彼らの結成は1965年ということで、実に長いキャリアを有するオランダのバンドである。そんな彼らのベスト盤ということで、選曲としたらあれもこれもと言うことになるのだが、無難な選曲が行われていて、入門用にはもってこいである。(ベスト盤には、やはりそのアーティストを知らない方のための「入門用」という意味合いもある。)ここに収録された全12曲はいずれもがロック・スピリッツの籠もったナイス・チューンが集められている。
まずはギターのビートが唸る『Radar Love』で幕が開ける。この曲のサウンドは'60'sのテイストと'70'sのテイストを持ち合わせていて、ロック・ファンとしたら嬉しくなる一曲である。しかも6分半近くに渡ってたっぷりと楽しむことが出来るというのが嬉しい。続く『Vanilla Queen』は9分を越える大作で、ドラマティックな一曲で、アコースティック・サウンドを中心とした間奏部分や力強いサビの部分、メロディアスな間奏部分、オーケストラ風サウンドになる部分というように、そのサウンドが変わっていくところにスケールの大きさを感じるナイス・チューンである。続く『Candy's Going Bad』はパワフルなボーカルが堪能できるミディアム・テンポのロック・ボーカル・ナンバーであり、サウンドの方も実にご機嫌なロック・サウンドを奏でてくれている。この曲も6分を越していて、じっくりと堪能できる。続く『She Flies on Strange Wings』は静かなボーカル主体のイントロで始まるが、直ぐにギターのビートが炸裂するロック・ナンバーとなるギター好きにはたまらないロック・ナンバーでパワフルな一曲である。
続く『Ce Soir』はミディアム・テンポのロック・ナンバーであり、どちらかと言うとボーカルを中心とした曲で、そこにハード系ロックのサウンドが確かな歩を歩んでいくようにパワフルに迫ってくる聴かせるロック・ナンバーである。続く『Mad Love's Comin'』はビートの利いたミディアム・テンポの軽快なロック・ナンバーであり、ソウルフルなボーカルが魅力の一曲である。続く『Leather』はギターとドラムのサウンドがパワフルに展開するややスローなロック・チューンであって、アメリカのサザン系のパワフルなロックを思い起こさせてくれるパワフルなナンバーである。続く『Clear Night Moonlight』はテンポの良い軽快なノリのロック・チューンであり、さりげないブラス・サウンドが印象に残る一曲であり、続く『Lost and Found』は正統派のパワフル・ロック・ナンバーであり、ミディアム・テンポのリズムに乗せて力強いサウンドを堪能させてくれる。
続く『Devil Made Me Do It』はアップ・ビートなロック・チューンであり、元気のあるサウンドである。こういう軽快なロックというのは聴いていても楽しくなってくるものである。続く『Quiet Eyes』はややスローなテンポのパワフルなロック・チューンで、そのビートに圧倒的なパワーを感じるボーカルを知勇心としたナンバーである。そしてラストを飾るのはパワフルなロック・チューンである『Twilight Zone』で締めくくってくれる。この曲は8分弱という大作がここに収録されているが、ベースのサウンドが力強くグイグイと引っ張っている心地良いロックであり、1984年のスマッシュ・ヒット曲でもある。テンポも良く、パワフルなボーカル、ちょっとドラマティックなそのサウンドも心地よく届いてくるナイス・チューンである。(尚、この曲はアメリカの同名の人気ドラマとは関係ありません。)
キャリアで言えば、ストーンズに負けない長さを誇っている彼らであるが、大ヒット曲となると意外と少ないのもまた事実である。が、ヒットを記録しなかったからその曲はダメというものではない。長いキャリアからくるベテランの味というものはそんじょそこらのアーティストでは出すことの出来ないものでもある。本アルバムではそういうベテランの味というロックが堪能できるということもあり、バラエティに富んだ内容のロック・ナンバーを楽しむことが出来る。一言で「ロック」と言っても、実にそのバリュエーションは拾いということを感じさせてくれるベスト盤である。ロック・ファンとしては抑えておきたい一枚である。
The Continuing Story of Radar Love
- アーティスト: Golden Earring
- 出版社/メーカー: MCA
- 発売日: 1989/10/26
- メディア: CD
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