SSブログ

HOWARD JONES『THE ESSENTIALS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは2002年にリリースされたベスト盤であるが、収録されている全12曲はいずれもが'80's(1983年~1986年、1989年)に発表した曲である。ということで、本ベスト盤はブリティッシュ・'80'sサウンド(しかも、'80'sに隆盛を極めるエレ・ポップ)満載の心地良いアルバムである。でも、往年の人気アイドルでもあった彼だが、CDの裏側の写真を見ると、随分と老けたものだと感じてしまった...

まずはヒット曲『New Song』で幕が上がる。リズミカルでポップで楽しくなるこの曲はスマッシュ・ヒットとなり、彼は瞬く間に期待の新星となった。続く『What Is Love?』はスローなテンポのボーカル・ナンバーであり、この曲のヒットによって彼の名前は不動のものとなった曲である。「エレ・ポップ」という名称は当時はまだ存在していなかったが、当時のイギリス勢の新しいところがこぞって競い合ったと言うこともあって、実に聴き所の多い曲となっている。続く『Pearl In The Shell』はブラスのサウンドで華々しく立ち上がるが、直ぐにシンセサイザーによる無機質なサウンドとなる。しかし、そこにハートフルな彼のボーカルが良い味を出していて、楽しく聴くことの出来るポップスに仕上がっている。続く『Like To Get To Know You Well』はミディアム・テンポのポップ・ボーカル・ナンバーで、ちょっとメロウなメロディがゆったりとしたレゲエ調のサウンドにマッチした佳作である。

続く『Things Can Only Get Better』はミディアム・テンポながらもメロディがシンセサイザー・ロックとでも言ったらいいようなエレクトリック・ロックという感じのボーカル・ナンバーで、とにかくシンセの使い方が巧みな一曲、続く『Look Mama』はメロディアスなシンセサイザー・サウンドのイントロで始まるスケールの大きさを感じるミディアム・テンポのボーカル・エレ・ポップ・ナンバー、続く『Life In One Day』はシンセサイザーを使っているものの、そのサウンドがアコースティック系の楽器を多用したようなサウンドを奏でているナンバーであり、こういう使い方もあるということを感じさせてくれたポップな一曲である。まあ、これだから、シンセ・サウンドにハマったらどこまでもいってしまう「ハマるとヤバいんです♪」モードに突入してしまうのですが...

続く『No One Is To Blame』はピアの音を意識したサウンドのボーカル・ナンバーで、メロディ・ラインがとてもメロディアスなこともあり、無機的なサウンドがとても暖かく感じることの出来る一曲となっている。続く『All I Want』はミディアム・テンポのエレ・ポップであり、メロディアスで透明感のある美しいサウンドが夢幻の世界に誘ってくれるボーカル系のナンバーでもある。続く『You Know I Love You...Don't You?』はテンポの良いポップ・ナンバーであり、エレ・ポップでもあるが、ブラスのサウンドをフューチャーしたロック寄りのボーカル系ナンバーでもある。が、エレ・ポップのエッセンスが利いていることで、それが弾けるような楽しいポップスとさせていて、聴いていても心地よくなってくる。続く『Everlasting Love』は典型的なポップ・ナンバーであり、ここではシンセサイザーを使っているものの、「エレ・ポップ」というよりは「普通のポップス」となっているが、こういう楽しいポップスというのは、どういう形であっても心がウキウキしてくるので、とても和やかな気持ちにしてくれる。ラストを飾る『The Prisoner』は前曲とは逆に、シンセのビートを活かしたいかにもエレ・ポップというナンバーである。が、ちょっとメロウなメロディ・ラインが単なるエレ・ポップとさせることなく、ボーカル・ナンバーとして聴かせてくれる要素を生み出している。ということで、ボーカル・ナンバーとしても聴き所に満ちた一曲となっている。

本ベスト盤は'80'sサウンドの楽しい一面が凝縮されていて、聴いていても実に楽しくなる一枚でもある。これだから'80'sサウンドというのは止められないのである。(でも、その後の'90's、'00'sサウンドは混迷の度合いが高くなってきて、今ひとつ心を動かされないということもあり、音楽的な文化の頂点はやはり'80'sサウンドだと強く感じるのもまた事実なのである。)'80'sサウンドがお好きな方には絶対にお奨めの一枚であり、荘でない方も楽しいポップスの世界に接するという意味ではお奨めである。(本ベスト盤を耳にされたら、その後は彼のアルバムの方にも足を踏み入れてください。)

 (2/14追記)
2/12放送の「ベストヒットUSA2006」(BS朝日)の「TIME MACHINE」のコーナーで、『What Is Love?』がON AIRされました。ON AIRの後追いになったアーティストがいくつかありましたが、ON AIRよりも先にピックアップしていたというのは、「やった!」という感じになります。(^^)

 

The Essentials

The Essentials

  • アーティスト: Howard Jones
  • 出版社/メーカー: Rhino
  • 発売日: 2002/06/04
  • メディア: CD


コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。