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BRUCE SPRINGSTEEN『GREETINGS FROM ASBURY PARK, N. J.』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1973年に発表されたかれのデヴュー・アルバムである。'80'sになってアメリカをイメージするロックンローラーにまで上り詰める彼の記念すべきデヴュー・アルバムであり、「衝撃のデヴュー・アルバム」と言われる一枚である。サウンドとしてはロックというよりは「フォーク」や「カントリー」と言った方がよいものであるが、'70's前半のロックというのは「カントリー」のブームもあってか、「フォーク」や「カントリー」のテイストが十二分にあり、けっして珍しいものではない。が、完成度という点ではまだまだ荒削りで未完成という所を感じるが、将来、大きくブレークするという予感を抱かせてくれている。

また、本アルバムは、セールス的には大きな数字を残した訳ではないが、彼のヒストリーを追っていく上では、やはり忘れることの出来ない一枚である。

まずは『Blinded By The Light』で始まるが、'70'sのロックという雰囲気の一曲であって、フォーク・ロックという感じの聴きやすい一曲である。続く『Growin' Up』はピアノをフューチャーした一曲であり、やはり、フォーク・ロックという感じの一曲である。続く『Mary Queen Of Arkansas』はアコースティック・ギターとハーモニカのサウンドが優しく語りかけるスローなテンポの一曲であり、ロックというよりはカントリーである。が、これがいかにも広大なアメリカの大地を思わせてくれることになり、じっくりと聴き込むことが出来る一曲である。

続く『Does This Bus Stop At 82nd Street?』は典型的な当時の流行りのサウンドであるフォーク・ロックである。ここでは後の魂の籠もったボーカルの片鱗を伺い知ることが出来る。続く『Lost In The Flood』はややスローなテンポで展開するフォーク・ボーカル・ナンバーであり、スケールの大きさを感じる一曲で、じっくりと彼のボーカルを堪能させてくれる。続く『Angel』はスローなテンポの優しいバラード・ナンバーで、ピアノの旋律が美しく綴ってくれる。

続く『For You』は打って変わって、フォーク・ロック全開となり、カントリー・テイストのサウンドがパワフルに展開される。続く『Spirit In The Night』はブルース系のエッセンスが散りばめられたリズミカルなボーカル・ナンバーで、サックスのサウンドがひと味違うソウルフルなイメージを引き出すと共に、じっくりと歌い混んでいる一曲でもある。ラストを飾る『It's Hard To Be A Saint In The City』はドラマティックな要素を持ったスケールの大きさを感じるフォーク・ロックであり、こういう所に、ロック・シンガーとしての器の大きさを感じさせてくれる。

本アルバムを発表してから僅か8ヶ月後に2nd.アルバム「THE WILD, THE INNOCENT & THE E STREET SHUFFLE」更に1975年の3rd.アルバム「BORN TO RUN」へと続く彼のアメリカン・ドリームを掴んでいく課程と、アルバムの内容の充実度というのはまさに凄い勢いでの進化を見せてくれているが、その原点となる本アルバムは、やはり捨てることの出来ない一枚である。

 

Greetings From Asbury Park, N.J.

Greetings From Asbury Park, N.J.

  • アーティスト: Bruce Springsteen
  • 出版社/メーカー: Sony Japan
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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