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BONNIE TYLER『FREE SPIRIT』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1995年に発表されたアルバムで、収録されている曲はポピュラー・ミュージックのスタンダード・ナンバーというような名曲をフューチャーしたロック系のボーカル・アルバムである。彼女のハスキーなボーカルというのは、ロック系の曲ではパワフルでスケールの大きさを感じるが、それがスローなテンポの曲となると、力強さを控えめにするだけで余裕を感じさせてくれることとなり、それがじっくりと聴き込む際の安心感に繋がり、じっくりと聴くことが出来る。そして、この余裕がカバー曲ではオリジナル曲の雰囲気とはまた違った雰囲気を出すことになり、新たな魅力をそれぞれの楽曲から引き出している。'80'sにはロック系のボーカリストとして活躍していたが、本アルバムではロック系を曲を中心としているが、じっくりと聴かせる大人のボーカルを披露してくれている。

まずは『Nothing To Do With Love』というややスローなテンポのボーカル・ナンバーで幕が上がる。ロック系のサウンドであり、ギターのサウンドが重厚に響くが、彼女のボーカルがとにかくパワフルであり、その迫力には圧倒される。続く『You're The One』はちょっとメロウなメロディに乗せてじっくりとボーカルを聴かせるバラード調の一曲である。ここではパワフルなボーカルの方も少し控えめであるが、そのことが逆に余裕を持ったボーカルということを感じさせていて、安心して聴くことが出来る。続く『Making Love (Out Of Nothing At All)』はAIR SUPPLYの大ヒット曲のカバーであるが、ここでは8分近い大作となっていて、スローなテンポの綺麗なメロディに乗せて、彼女のハスキーなボーカルが冴えている。また、この様な大作としてじっくりと聴かせてくれる彼女の曲としては、大ヒット曲『Total Eclips Of The Heart』を彷彿させてくれるスケールの大きさがあり、これは聴き所満載の一曲であり、傑作としてあの名曲が甦っている。

続く『Given It All』はミディアム・テンポのロックのテイストのあるボーカル・ナンバーであるが、あふれんばかりのパワフルなボーカルが落ち着いた余裕となり、じっくりとボーカルを聴いてください、というように落ち着いて聴くことが出来る。続く『What You Got』はスローなテンポのボーカル・ナンバーで、ここでのボーカルは控えめでおとなしいのだが、そのことが逆にスケールの大きさを感じさせてくれる。じっくりと聴き込むことが出来る一曲である。

S & Gの大ヒット曲『Bridge Over Troubled Water』はピアノをベースにしたスローなテンポのボーカル・ナンバーとしてカバーしているが、ここではパワフルな彼女のボーカルがメロディアスなメロディを盛り上げることに繋がり、じっくりと聴かせてくれる一曲に仕上がっている。原曲とはまた違った味が出ている。続く『Time Mends A Broken Heart』はポップな要素のあるミディアム・テンポのボーカル・ナンバーで、彼女のハスキーなボーカルがいいエッセンスとして利いていて、じっくりと聴かせてくれる。続く『Driving Me Wild』はテンポの良いロック系のボーカル・ナンバーであり、熱い魂のこもったパワフルなボーカルを聴かせてくれる。この辺りは'80'sの彼女の姿を思い出させてくれる。

続く『Sexual Device』はスローなテンポのパワフルなロック・ボーカル・ナンバーであり、ハスキーなボーカルが冴え渡る一曲である。続く『Make It Right Tonight』はスケールの大きなパワフルなボーカルをスローなテンポのメロディアスな曲に乗せて、じっくりと聴かせてくれている。続く『All Night To Know You』はバラード・ナンバーであり、スローなテンポのメロディに乗せて、良い雰囲気の世界をじっくりと築き上げて、優しく歌い上げている。

続く『Forget Her』は静寂な夜を感じさせる静かなラブ・バラードであって、ゆっくりとしたテンポにハスキーなボーカルが切なさを感じさせる聴かせる一曲、続く『Two Out Of Three Ain't Bad』は美しいメロディで立ち上がる8分半を越える大作であり、リズミカルでテンポの良いポップのテイストの利いた一曲である。歯切れの良いこの曲は聴いていると明るく楽しくなる一曲でもある。こういう曲は彼女の楽曲ではちょっと珍しいのだが、楽しんでいる様子がうかがえる。そして、ラストには、ボーナス・トラックという表記は無いが、9曲目が異なるアレンジになって収録されていて、『Sexual Device (The Vari Mix)』ということになる。ここではアップテンポでノリノリのダンス系ナンバーとなっている。トラック9と聴き比べるのもまた良いが、これは完全に別の曲と捉えた方がいい。(が、一つの曲がミックスを変えるだけで全く違った曲となるのもまた面白いところでもある。)

一口に女性ボーカル・アルバムといっても、それは色々と幅が広いが、本アルバムは彼女の持ち味であるパワフルなロックのテイストを中心にして、全体的には聴かせる構成とし、カバー曲にも新たな魅力を楽曲に与えており、たっぷりとボーカルを堪能することが出来る。特に、AIR SUPPLYのバージョンとの違いをじっくりと聴いてもらいたい所であり、ボーカル好きの方だけでなく、'80's(特に前半)サウンドのお好きな方にもお奨めの一枚である。

 

Free Spirit

Free Spirit

  • アーティスト: Bonnie Tyler
  • 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
  • 発売日: 1996/03/26
  • メディア: CD


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