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LISA BROKOP『EVERY LITTLE GIRL'S DREAM』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1994年に発表されたものであり、またもカントリー界の歌姫のアルバムを取り上げることにする。(筆者は結構「カントリー」が好きなのである。)カントリーが脚光を浴びてサウンド・シーンの中心となったのは'90'sの初頭のことであり、'94年にもなると、その勢いも流石に衰えてきたが、そこに残ったのは、本当に実力のあるアーティスト、信にセンスの光るアーティスト、というように本物だけが残ることになった。彼女のボーカルはパワフルであり、それでいてとてもハートフルな暖かさを持ったものであり、心を癒してくれるものであり、じっくりと聴かせてくれるものである。但し、ちょっと教科書に載っている通りの曲という感じもしてしまいますが... 尚、本アルバムも、「カントリー」のアルバムに共通するお約束はしっかりと守られている。それは「収録時間が短い」ということである。(全10曲で35分の後半という収録時間である。)収録時間の長短というのは、音楽の良さ、芸術性とは関係ないものであるが、購入した場合、どうも損をしたような気分にさせてくれる。LPの時代であればともかく、1994年であれば、完全にCDの時代になっている。せめて45分は収録してもらいたいのだが...(カントリーの世界では、30分ちょっとという暗黙の掟でもあるのでしょうか?)

まずは、ミディアム・テンポのカントリー・ボーカル。ナンバーの典型的な一曲である『Take That』で幕が上がる。アコースティック・ギターを中心とした新プロなロック・ボーカル・ナンバーであり、テンポといい、曲調と言い、まさに教科書通りの一曲である。ここではパワフルな彼女のボーカルの片鱗を伺うことが出来る。続く『One Of Those Nights』はスローなテンポのカントリー・ボーカル・ナンバーであり、これもその手の曲としたら教科書通りである。ハートフルでパワフルな彼女のボーカルが魅力的な優しい一曲である。続く『You Already Drove Me There』はスローなテンポのロックのエッセンスの利いたフォーク・バラード・ナンバーであり、ピアノの旋律と共にメロディアスなアコースティック系のサウンドに乗せた彼女のパワフルなボーカルが暖かく届く一曲である。

続く『Give Me A Ring Sometime』はテンポの良い明るいカントリー・ロック・ナンバーであり、ミディアム・テンポの中に小気味の良さと大地の香りのするロックのリズムが展開される一曲である。こういう曲では彼女のパワフルなボーカルが冴え渡っていて、本アルバムの聴き所の一つでもある。続く『Every Little Girl's Dream』はアコースティック・ギターを中心としながらも、ポップのエッセンスの利いたボーカル・ナンバーであり、大地をしっかりと踏みしめる力強い足音を彼女のパワフルなボーカルに感じることが出来る一曲である。続く『Never Did Say Goodbye』はアコースティック・ギターによる弾き語りを中心とし、そこにピアノなどの最低限の楽器が加わっただけのシンプルなサウンドの一曲である。こういう曲になると、ボーカルの上手い下手がもろに出ることになるが、ハートフルに力強く歌う彼女のボーカルはなかなかのものである。

続く『Who Needs You』は片田舎のサロンであれば何処でも聴くことが出来そうなカントリー・ロック・ナンバーであり、リズミカルでテンポの良いロック・ナンバーである。パワフルな彼女のボーカルが楽しいという感じを増幅させてくれる一曲でもある。続く『Not Here In My Arms』はシンプルな構成によるカントリー・バラード・ナンバーで、ピアノやアコースティック・ギターの奏でるメロディに負けない力強さのある彼女のボーカルがしんみりと心に響いてくれる。続く『Let Me Live Another Day』も同様の曲であるが、こちらはスローなテンポのロックのリズムに乗ったバラードである。ここでも彼女のパワフルなボーカルが冴え渡っている。続くラストの『Never Gonna Be Your Fool Again』はミディアム・テンポのカントリー・ロック・ボーカル・ナンバーであり、しっかりと聴かせてくれる一曲でもあり、ハートフルな一曲である。

カントリーというのは、日本においては「演歌」のようなものである。(但し「演歌」にはこぶしを利かせた歌唱法というのが必須であるが、「カントリー」にはそういう必須の歌唱法というものは無い)つまり、身近な楽器を使って、身の回りの小さなことを歌にしたものがその根底にある。ということで、ハートフルな曲が自然と多くなる。(悪く言えばワンパターンである。)が、カントリーの一大ブームが下火になった時期ということを考慮すると、生き残ったのは時代の変化に左右されない本当の魂を持ったサウンドということになる。後の彼女のアルバムにも耳を傾けてもらいたい所であるが、それ以上に本アルバムは内容も濃く、作品のクオリティも高いので、まずは聴いてもらいたいアルバムである。

 

Every Little Girl's Dream

Every Little Girl's Dream

  • アーティスト: Lisa Brokop
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 1994/09/06
  • メディア: CD

↓後のアルバムとしたら、この辺りがお奨めです。

Lisa Brokop

Lisa Brokop

  • アーティスト: Lisa Brokop
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 1996/02/20
  • メディア: CD
Hey Do You Know Me

Hey Do You Know Me

  • アーティスト: Lisa Brokop
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 2005/04/26
  • メディア: CD

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