NIKITA『SWEET AS IT COMES』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1992年に発表されたものであり、ソウルフルでパワフルなボーカルを堪能できる女性ボーカル・アルバムである。尚、本アルバムでは彼女は「NIKITA」の名義を使っているが、「NIKITA GERMAINE」のことである。とにかく、ブラコンからソウル系の血筋を受け継いでいるそのサウンドは、ハートフルな要素も加わり、優しく語りかけてくれる。古くは'30'sにまで遡ることが出来るが、黒人音楽のソウルフルなボーカルというのは長い歴史があり、ソウル、ゴスペルというものを確立させているが、そういうものが自然と身に備わっていると感じられる本アルバムは、大人の鑑賞のためのボーカル・アルバムであり、じっくりと聴き込むことの出来る内容のものである。
スローなテンポのバラード調のボーカル・ナンバーである『All Over You, All Over Me』で立ち上がるが、この曲はハートフルに優しく包み込んでくれる優しい一曲で、冒頭からじっくりと聴かせてくれる。(しかも、いきなりアルバムの中で最も長い6分を越える大作の登場である。)続くアルバム・タイトル・ナンバーの『Sweet As It Comes』は彼女のパワフルなボーカルを堪能できるスローなテンポのボーカル・ナンバーであり、コーラスとの融合がスケールの大きさを感じさせてくれる一曲である。続く『Just Because』はリズミカルなミディアム・テンポのダンス系よりのポップな一曲である。サックスが印象的な音を奏でているが、パワフルな彼女のボーカルが魅力の一曲でもある。続く『Challenge My Love』はソウルフルでパワフルなミディアム・テンポのボーカル・ナンバーで、ブラコンのテイストのする一曲である。
続く『Our Day Will Come』はミディアム・テンポのパワフルなボーカル・ナンバーであり、たっぷりと聴かせてくれる一曲である。続いてはメロディアスなメロディ・ラインの『Love Light』がゆっくりとしたテンポでそっと包み込むかのように届いてくるが、ラブ・バラードとしたらお決まりのパターンの曲でもある。続く『Watch Me Walk』はポップのエッセンスの利いたミディアム・テンポのボーカル・ナンバーであるが、ダンサブルなリズミカルな曲でもある。続く『Standing In The Rain』は一転してスローなテンポの優しく包み込んでくれるボーカル・ナンバーで、聴かせてくれる一曲である。
続く『Hide Your Love』はダンサブルなビートが響くミディアム・テンポのダンス・ボーカル・ナンバーである。が、ノリが良いというよりも、トータル的なクオリティで乗せてくれるという感じの曲である。続く『Surrender』はバック・コーラスとの融合が特筆されるスローなテンポのボーカル・ナンバーであり、メロディアスで美しい一曲である。続く『Heart's Devotionn』はLOUIS PRICEとのデュエットによるボーカル・ナンバーであり、味のあるハーモニーを聴かせてくれる。ラストを飾る『What Am I Gonna Do』は彼女の持ち味であるパワフルさを十二分に発揮したハートフルで優しいボーカル・ナンバーであり、パワフルなボーカルと優しいバック・コーラスの声との融合がとてもいい雰囲気を醸し出していて、余韻を持たせる形で幕が下りていく。6分弱という時間を感じさせないナイス・チューンである。
本アルバムは、セールスとしたら大した数字を残したものではないが、内容の方はしっかりとしたものであり、こういうアルバムを「隠れた名盤」というのである。尚、こういうアルバムは入手するのが難しいというような一面があるが、そういう苦労をして入手するというのも、またコレクターとしたら楽しいものである。(が、最近はネットで探して入手出来るというので、輸入店や中古店に足を運んで探すということをしなくても入手できるようになっていますが...)一度は聴いて欲しいアルバムである。
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