NONA GAYE『LOVE FOR THE FUTURE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1992年に発表されたアルバムである。彼女はあのMARVIN GAYEの娘ということで豊かな音楽性を生まれながらに持っているということを感じさせてくれるデヴュー・アルバムである。サウンドの方はダンサブルなサウンドを中心としたアルバムであり、聴いていて楽しくなる一枚である。また、ソウルフルであり、かつボーカルもパワフルな所を聴かせてくれていて、こういう所も聴いていてご機嫌とさせてくれるアルバムである。が、一言だけ苦言を呈すると、流行りのサウンドを取り入れているが、それが十分に消化し切れていないところが出てしまっているのが残念なところである。何せ、バラード系の曲は良い味が出ているだけに、彼女のアイデンティティが今ひとつ希薄されてしまっている。が、'80's終盤から'90'sのビートの利いたサウンドを楽しむことが出来るアルバムである。(父は「メジャー」過ぎる「メジャー」であるが、彼女は「メジャー」と言うには名前が浸透していないが、「マイナー」と言うには名前がそれなりに通っている...)
まずはダンサブルな一曲である『Natural Motion』からスタートする。この曲は何となくJANETのサウンドを思い出させるテンポの良い一曲である。続く『I'm Overjoyed』はポップなメロディ・ラインのダンサブルな一曲で、'80'sのキャンディ・ポップスを思い出させてくれる明るく楽しい一曲である。続く『When You Were Mine』はコンテンポラリー系のポップなテイストのボーカル・ナンバーであり、やはりリズミカルな一曲である。続く『Things That We All Do For Love』は本アルバムの収録曲の中で最も長い6分を越える大作であり、スローなテンポの優しいバラード調の一曲である。メロディアスなメロディと共に、美しい女性コーラスがちょっとメロウに届いてくる美しい一曲である。
続く『Supernatural』はミディアム・テンポのボーカル・ナンバーで、ちょっとソウルフルなブラコンという一曲であり、テンポの良いメロディ・ラインが印象に残る一曲である。続く『Only Two Can Tell』はレゲエ調のリズムでゆっくりとしたテンポのボーカル・ナンバーであるが、レゲエ調のサウンドがゆったりとした安らぎ感を与えて入れている。続く『Don't Wait』はミディアム・テンポながらもリズミカルなダンス系の一曲であり、パワフルなサウンドを展開する心地よい一曲である。続く『Fever』はファンキーなダンス・チューンであり、ビートが利いたリズミカルな一曲であると同時にパワフルな一曲であり、ダンス・ビートにはもってこいの一曲である。
続く『Give Me Somthihg Good』はミディアム・テンポのダンサブルなブラコンであり、ソウルフルでパワフルなボーカルと共に、スケールの大きさを感じさせてくれるナイス・ナンバーである。続く『Breaking Away』はスローなテンポのバラード調のボーカル・ナンバーであり、パワフルで伸びのあるボーカルがじっくりと聴かせてくれる。綺麗なメロディ・ラインとコーラスもなかなかであるが、ピアノのメロディとさりげなく登場するサックスの音がメロウな印象を与えてくれている。ラストを飾る『Love Is All You Need For The Future』はミディアム・テンポのファンキーな一曲であり、ビートの利いた一曲であるが、ワールド・ミュージックの血筋が流れていて、安心できる一曲でもあり、包み込むように締めくくってくれている。
ポップな部分もあり、それでいてダンサブルという曲は氾濫しているということもあって、埋没してしまったという部分もあるが、それにしても黒人アーティストというのはパワフルであり、それでいてソウルフルでもあり、その音楽性というのは本当に奥が深いと言うことを感じさせてくれる。万人に聴いてもらいたいとまでは言わないが、ダンス系のサウンドがお好きな方は耳を傾けてみることをお奨めしたい。また、ボーカル・ナンバーがお好きな方にはバラード系の曲のみをお奨めしたい。尚、父・MARVIN GAYEの様なソウルフルなサウンドまでは期待してはいけないですよ。
↓父・MARVIN GAYEの代表的なアルバムをピックアップしておきます。
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