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ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA『ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA PLAYS HITS OF PINK FLOYD』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1994年に発表されたものであり、FLOYDに対するトリビュート・アルバムでもある。ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRAとは、イギリスを代表するオーケストラであり、それがFLOYDの曲を演奏するというのだから、これはもうお涙もののアルバムである。これによってFLOYDのサウンドは人類が残した20世紀の文化遺産へと昇華した。全9曲、約51分というのは少ないという感じもするが、FLOYDのスケールの大きなサウンドがオーケストラの重厚なサウンドとして新たな生命を吹き込まれたということで、とにかく聴き入るだけである。で、それぞれの曲についてはFLOYDのオリジナル・アルバムの方で、更に堪能しましょう。(でも、FLOYDのサウンドが理解できない方は、触れない方がよろしいかと...)

まずは『Shine On You Crazy Diamond』からスタート。FLOYDのオリジナル・アルバムでもこの曲は超大作であるが、ここでも10分に近い超大作となっている。(当然、全9曲の中で最も時間の長い一曲である。)が、スケールが大きくドラマテックなこの曲というのは、オーケストラが奏でるとなったらピッタリとくる一曲である。奥行きのあるオーケストラ・サウンドは原曲の持つイメージを壊すことなく、見事にマッチしている。続く『Money』は、オーケストラ・サウンドではちょっと心配な一曲であったが、あのお金とレジの音で始まるイントロは上手く再現しており、そこから先はオーケストラの重厚なサウンドがFLOYDサウンドを上手く置き換えることに成功していて、なかなかいい味を出している。原曲が素晴らしいと、やっぱり上手いことアレンジできるものだと言うことを感じさせてくれる一曲である。続く『Us And Them』は聴きやすい一曲となっているが、オーケストラ・サウンドがスケールの大きさを出していて、牧歌的な雰囲気を出していて、これもまた良いものである。

続く『Hey You』は、「Hey You!」という叫びに通じるボーカルが命であるだけに、オーケストラとの融合が心配されたが、これは重厚感のあるオーケストラ・サウンドとなっていて、良い味が出ている。続く『Another Brick In The Wall』はシングルとしてヒットした「Part.2」がベースとなっているが、オーケストラ・サウンドでは「Part.1」的な印象も出てきていて、スケールが大きくなっている。また、コーラスはオーケストラにも合うものであり、あの大ヒット曲が新たな魅力を持って甦っている。続く『Wish You Were Here』はギターのサウンドが命である一曲であるが、そういう楽器も用意していることから、ちょっとメロディアスな一曲として甦っている。なかなか聴き応えのある一曲である。

続く『Time』は、時計の鐘の音からちゃんと始まっていて、時を刻む音がしっかりと続いている。これが無いとこの曲とは言えないだけに、しっかりとツボは抑えてある。で、オーケストラ・サウンドが雄大にスケール感たっぷりに奏でられていて、じっくりと腰を落ち着けて聴くことが出来るサウンドとなっている。続く『Great Gig In The Sky』はピアノのメロディがメロディアスな感じを出しており、それと女性ボーカルの声が澄んだ声をしていて、それがまたドラマティックな印象を高めてくれている。バランスの取れたいい一曲になっている。ラストの『In The Flesh』は元々がオーケストラ仕立てのスケールの大きな一曲であるだけに、とてもいい雰囲気で再現されている。が、FLOYDと違うところは人数も多いということから、サウンドの厚みというものが一回り大きくなっている。とにかく重厚感のあるサウンドを奏でている。

P. FLOYDといえば、プログレ界の巨星であり、プログレ全盛期の'70'sの大活躍に留まらず、プログレが衰退してきた'80'sでも孤軍奮闘していたグループである。そのP. FLOYDに対してのトリビュートというのは当然と言えば当然でもあるが、本アルバムがリリースされた1994年には「THE DIVISION BELL」という新譜をリリースして健在ぶりをアピールしている。ということで、ちょっと複雑な感じになったアルバムになったというのが正直なところである。が、ジャンルを超えて甦るFLOYDサウンドというのもまたいいものである。FLOYDのアルバムに走るのはともかく、本アルバムであれば万人にお奨め出来るものでもあるので、まずは耳にしてもらいたいアルバムである。特に、クラシック系のオーケストラを聴かれる方には、こういうものがある、ということで是非とも聴いていただきたいアルバムである。

尚、US盤とUK盤ではジャケットが異なっているが、同じ内容である。US盤の方がポピュラー音楽アルバム、UK盤の方がクラシック・アルバムという雰囲気がありますが...

 

The Royal Philharmonic Orchestra Plays Hits of Pink Floyd

The Royal Philharmonic Orchestra Plays Hits of Pink Floyd

  • アーティスト: Alex Klier, Nick / Gilmour, David J. / Waters, Roger / Wright, Mason, Pink Floyd, G.R. / Gilmour, D.J. Waters, Roger Waters, Roger / Wright, Richard Waters, Hermann Weindorf, Curt Cress, Peter Weihe, Royal Philharmonic Orchestra
  • 出版社/メーカー: Koch
  • 発売日: 2003/08/12
  • メディア: CD

↑US盤|UK盤 ↓

Plays the Music of Pink Floyd

Plays the Music of Pink Floyd

  • アーティスト: Royal Philharmonic Orchestra
  • 出版社/メーカー: Emporio
  • 発売日: 2001/06/25
  • メディア: CD

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