AC/DC『FOR THOSE ABOUT TO ROCK』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表されたものであり、彼らとしては初の全米No.1(3週連続1位)に輝いたアルバムである。で、1982年のBillboard年間アルバム・チャートでも43位にランクインした。前作「BACK IN BLACK」(1980年)が高い評価を得て一躍トップ・バンドの仲間入りを果たした彼らであるが、それに続く本作は、その評価を裏切ることなく、内容のある一枚となっている。「BACK IN BLACK」は彼らの代表アルバムであり名盤であるが、本アルバムはそれに次ぐ彼らを代表するアルバムであり、秀作である。
まずはアルバム・タイトル・ナンバーである『For Those About To Rock (We Salute You)』がパワフルでギンギンのサウンドを炸裂させてくれる。この曲は何と言っても後半に入っている大砲の音が強烈なインパクトを放っているが、テンポの良い活きの良いハード・ナンバーであり、前作で得た評価をそのまま受け継いで、心地良いハード・ロックを奏でてくれる。続く『I Put The Finger On You』もリズミカルであり、パワフルに展開される気持ちの良いハード・ロック・チューンであり、こういうサウンドは本当に気持ちが良くなるものである。続く『Let's Get It Up』はミディアム・テンポのハード・チューンであるが、唸るギター・サウンドが心地良さを与えて入れる一曲であり、ハード・ナンバーとしたら聴きやすい一曲でもある。
続く『Inject The Venom』はややスローなテンポのシャウトが堪能できるハード・ナンバーであり、実にパワフルな一曲である。続く『Snowballed』はテンポの良いハード・ナンバーであり、グイグイと力で持って行く重厚感のあるサウンドが魅力の一曲である。続く『Evil Walks』はミディアム・テンポのハード・チューンであるが、唸るギター・サウンドと、切れの良いコーラスを堪能できる佳曲である。続く『C.O.D.』はミディアム・テンポながらもパワフルなハード・チューンであり、爽快感を感じる一曲である。
続く『Breaking The Rules』はミディアム・テンポのシャウト・チューンであり、テクニックを聴かせてくれる一曲でもある。続く『Night Of The Long Knives』はオーソドックスなハード・ロック・ナンバーであるが、パワフルな一曲としてまとめられていて、聴きやすいハード・ナンバーである。ラストを飾る『Spellbound』はミディアム・テンポながらもスケールの大きさを感じるナイス・チューンであり、ラストを唸るギターで締めてくれる所は実に嬉しいものである。
AC/DCのアルバムと言えばやはり「BACK IN BLACK」である、ということは揺るがない所であるが、その名盤以上に商業的に記録を残した本アルバムもやはり捨てがたいアルバムである。(セールスの成績とアルバムの内容は正比例するものではないが、本アルバムの内容は高い。)'80's前半のこの時期は、「ヘビー・メタル」という言葉がようやく世界的に浸透しようとしていた時期であるが、この「ヘビー・メタル」という言葉が定着する前のハード・ロックのサウンドは実に面白い。是非とも聴いてもらいたいアルバムの一枚である。
For Those About to Rock We Salute You
- アーティスト: AC, DC
- 出版社/メーカー: Wea International
- 発売日: 2003/04/29
- メディア: CD
↓名盤「BACK IN BLACK」はこちら
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