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BONNIE TYLER『ALL IN ONE VOICE』 [音楽(洋楽)]

「B」となったら、必ず登場するようになっているBONNIE TYLETであるが、7巡目の今回もちゃんと登場します。(筆者のお気に入りのアーティストの一人であり、多くのアルバムがライブラリーにあるため。)

表題のアルバムは1998年に発表されたものであり、ロック・ボーカリストとしてではなく、ハートフルな女性シンガーとして、ハスキーなボーカルを活かしてたっぷりと聴かせてくれている。'70'sの彼女、'80'sの彼女もそれぞれ特徴があり、魅力的な曲を発表してきたが、'90'sの彼女はボーカルに一段と磨きがかかっただけでなく、特徴的なハスキーな声を活かしたボーカル・ナンバーをハートフルに歌ってきたが、そんな彼女の集大成ともいうような珠玉のボーカル・ナンバーが集められたアルバムである。(少なくとも、'80'sのロック・ボーカリストとしての姿はここにはない。)また、本アルバムではオリジナル・ナンバーだけでなく、数曲のカヴァー曲にも挑んでいるが、それぞれに彼女の持ち味を生かしていて、名曲が新たな魂を持って甦っている。

まずは『Heaven』というややスローなテンポのボーカル・ナンバーで幕が上がる。この曲はメロディアスな曲に乗せて、BONNIEのハスキーでパワフルなボーカルと共に、美しいコーラスがあり、その融合が綺麗な曲を構成することになり、ちょっとうっとりしてしまう秀作である。続く『Like an Ocean』はロックのリズムに乗ったパワフルなボーカル・ナンバーであるが、サウンドはエレ・ポップ調でもあり、綺麗なメロディの一曲でもある。テンポの良いロック・テイストの曲には彼女のボーカルが実に合っている。続く『Soon Will Be Too Late』はミディアム・テンポのバラード調のボーカル・ナンバーであり、ハートフルな一曲であるが、ハスキーで躍動感のある彼女のボーカルがとてもいい雰囲気を生み出している。続く『You Always Saw The Blue Skies』はカントリーのテイストのするミディアム・テンポのボーカル・ナンバーであり、心が和む一曲である。

続く『We Can Start Here』はメロディアスなメロディを持つボーカル・ナンバーであり、のどかなイギリスの田園地方を感じさせるゆったりとした一曲である。続く『Angel Of The Morning』はスタンダード・ナンバーとして多くのアーティストが取り上げているボーカル・ナンバーであるが、ハスキーなボーカルであるBONNIEがこの曲を取り上げたというのはちょっと面白いところである。他のアーティストたちの同曲と聴き比べをしてもらいたい所である。続く『Reason Why』はややスロー気味のロック調のボーカル・ナンバーであり、パワフルな彼女のハスキー・ヴォイスをたっぷりと堪能できる一曲であり、通にはたまらない一曲である。

続く『Return To Blue』はブルース系のテイストのするゆっくりとしたボーカル・ナンバーであり、ちょっとメロウなメロディに乗せて、ハートフルな彼女のボーカルが印象的に届く一曲である。続く『You're Breaking My Heart Again』はメロディアスなメロディ・ラインに乗った、ちょっとポップなテイストのするボーカル・ナンバーであり、パワフルな彼女のボーカルが良い味を出している一曲である。続く『I Put A Spell On You』は静かなブルース系のボーカル・ナンバーであり、ハートフルでパワフルなボーカルがスケール大きく、それでいてソウルフルに優しく届いてくるじっくりと聞き込みたくなる一曲である。続く『I'll Never Ler You Down』はスローなテンポのバラード調のボーカル・ナンバーであり、美しいコーラスの声とハスキーな彼女のボーカルとのコントラストが印象に残る一曲である。

続く『Rose』はBETTE MIDLERが主演を務めた映画「THE ROSE」(1979年)の主題歌であり、歴史に残る名曲のカヴァーである。ゆっくりとしたテンポで、歌詞を確かめるかのようにじっくりと歌うBONNIEのボーカルは、B. MIDLERの秀逸なボーカルに遜色ない素晴らしいボーカル・ナンバーとして仕上がっている。続く『He's The King』はメロディアスなメロディに乗せて彼女のパワフルなボーカルをたっぷりと味わうことの出来る出色のボーカル・ナンバーであり、ブルース系のテイストを感じるソウルフルでハートフルな一曲である。また、声量の豊かさには圧倒されることになる。ラストを飾る『Silent Night』はクリスマス・ソングで有名なあの曲である。ゆっくりとしたテンポで切々と、歌詞の一語一語を確かめるかのように歌い上げていて、こういうクリスマス・ソングもいいものだと感じることになる。

今回のアルバムは1998年に発表されたものであり、本ブログで取り上げるものとしたら新しい方になるが、素晴らしい作品は発表された年に関係なく取り上げていく。「名曲はいつの時代でも名曲である」ということを筆者は常々記しているが、本アルバムに収められている曲というのは紛れもなく「名曲」である。それにしても、'70'sのBONNIEがここまでのボーカル・ナンバーをこなせるようになるとは、正直考えていなかった。大人の鑑賞に堪えうる内容である本アルバムは、セールスの方は大きな数字を残していないが、本当の名盤・名曲というのは案外こういうものである。是非とも聴いてもらいたいアルバムである。但し、'80'sのロックのリズムに乗ったパワフルなBONNIEを期待してはいけません。本アルバムは、じっくりと聴き込むことの出来るボーカル・ナンバー集ですから...

 

All in One Voice

All in One Voice

  • アーティスト: Bonnie Tyler
  • 出版社/メーカー: Wea International
  • 発売日: 2000/02/08
  • メディア: CD


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