CRYSTAL WATERS『100% Pure Love』(MAXI)

「B」で始まるアーティストを12本も続けたが、あまりにも続けるのも何だからということで「C」にバトンを渡します。が、これも素直に取り上げても面白くないので、まずはMAXI SINGLEをピックアップすることにした。

'90'sに入り、ダンス系サウンドの方もサンプリングや打ち込みというような新たな技法が定着したが、表題の曲は1994年にリリースされたもので、バリバリのダンス・ナンバーである。MAXI SINGLEということで、ミックス違いで6曲が収録されているる（でも、時間は39分ちょっとということで、時間だけはアルバム1枚に匹敵する。）サウンドはテンポの良いダンス・ビートが利いたものとなっているが、少し考えてもらいたいところがある。全部で6つのミックスが楽しめるが、いずれもが同じようなダンス・ナンバーとなっていて、今ひとつ新鮮みがない内容で収まっている。まあ、ダンス・ナンバーということで、雰囲気を変えたミックスにしているものの、どうも同じようなものになってしまうというのは仕方のない所なのだろうか。とにかく、一本調子であり、非常に疲れるサウンドが展開される。もう少しメリハリを付けたアレンジの曲を加えたらいいものになったであろう。（ということで、今回はたまに登場する酷評シリーズでする）

まずは3分ちょっとのシングル・バージョンである『100% Pure Love [Radio Mix]』でスタート。テンポの良いリズミカルなダンス・ナンバーであり、ノリは悪くない一曲である。続くは『100% Pure Love [Club Mix]』ということで、8分ちょっとのダンス・ビートが続くが、何処が「Club Mix」というのであろうか。「Radio Mix」のロング・バージョンというだけという気がするだけである。続く『100% Pure Love [Paul Gotel Funked Out Mix]』は一段ギアが上に入っていて、よりアップ・テンポとなり、元気よく展開されるアレンジがされているが、前の2曲と大きく違うものとはなっておらず、ちょっと失望感が漂ってしまう。

続く『100% Pure Love [Gumbo Mix]』はサックスを取り入れて、それが引っ張っていて、メロディよりもサックスとビートの融合によるリズムを刻むことが主体になっているちょっと纏まりすぎたミックスとなっている。続く『100% Pure Love [PG Tips Anthem Mix]』はビートに主眼を置いたミックスとなっていて、それがパワフルに曲を引っ張っているものの、それだけというダンス・ナンバーの範疇のもの、続く『100% Pure Love [DJ EFX's Tribal Pump Mix]』は、彼女のボーカルを少し前面に出し、ビートを少し控えめにしたミックスであるが、リズムとメロディ、更にボーカルと言うように、少し欲張った内容で、もう少し整理をして欲しい所である。

ダンス・ビートに満ちたシングル・バージョンである「Radio Mix」は悪いものではないが、それ以外のミックスし、あまりにも個性が無く、マキシ・シングルを作るために無理矢理作ったという感がして仕方がないのだが、こういう所はマキシ・シングルの課題でもある。（尚、筆者が本マキシ・シングルを入手したのは、アルバム「STORYTELLER」を探していたが、それが数軒回ったCDショップに無かったことから妥協したのだが、アルバムの方はなかなかの出来だったことを考えると、残念である。）

 

↓筆者が持っているのはUK盤のMAXI Singleです。

100% Pure Love

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: A&M
• 発売日: 1994/04
• メディア: CD

↓US盤

100% Pure Love

• アーティスト: Crystal Waters
• 出版社/メーカー: Polygram Records
• 発売日: 1994/05/10
• メディア: CD

↓こちらはなかなかの内容です。

Storyteller

• アーティスト: Crystal Waters
• 出版社/メーカー: Mercury
• 発売日: 1994/05/17
• メディア: CD