LISETTE MELENDEZ『TRUE TO LIFE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1994年にリリースされたものであり、ブラコンの血を受けたダンス系のサウンドを中心にしたダンス・ボーカル・アルバムである。が、そんな中でもソウルフルなボーカルをたっぷりと聴かせてくれていて、ボーカル・アルバムとしてもなかなかのクオリティを持っている。また、'90'sのサウンドらしく、流行のヒップ・ホップ系のサウンドを取り入れたりしていて、しっかりとした歌唱力によって安心して聴き込むことが出来る。
まずは『Will You Ever Save Me』というゆっくりとしたボーカル・ナンバーで幕が上がる。綺麗なメロディの優しい一曲であり、じっくりと聴かせてくれるハートフルな一曲である。続く『How 'Bout You』はダンサブルなメロディのやや早めのミディアム・テンポの一曲であり、ブラコンの血筋を受け継いだリズミカルな一曲でもある。続く『Love Type Situation』はヒップ・ホップ系のダンサブルな一曲であり、ミディアム・テンポながらも実にリズミカルであり、その中でソウルフルな彼女のボーカルが冴え渡る一曲となっている。続く『Honestly』はミディアム・テンポのリズミカルなダンス・ナンバーであるが、熱いハートを持ったソウルフルなボーカルが魅力的である。
続く『Going My Way』はヒップ・ホップ系のダンサブルな一曲であり、決して早くはないゆったりとしたリズムの中で、綺麗でいて、それでいてソウルフルなボーカルを聴かせてくれる。続く『Goody Goody』は、あの有名な「ぐりぐり~♪」という節で有名なあの曲のカヴァーであるが、ここではソウルフルでパワフルなボーカル・ナンバーとして聴かせてくれる。「名曲はいつの世にも甦るもの」であるが、この曲はその言葉を実証してくれていて、'90'sという時代にマッチしたものとなっている。続く『My Warning(Take This Love And Run)』はミディアム・テンポのブラコンであり、リズミカルなメロディに合わせたソウルフルなボーカルが聴き所となっている。続く『Love Me Need Me』はややテンポの速いボーカル・ナンバーであり、ソウルフルなボーカルが綺麗なメロディとマッチした聴かせてくれる一曲である。
続く『On Again Off Again』はリズミカルに展開されるミディアム・テンポのダンス・チューンであり、体が自然と動くという感じの曲ではないが、それでもいつの間にかリズムに乗って聴いているようになっている味のある一曲である。続く『I Know That You Know』はポップな一曲であり、テンポの良いリズムで繰り広げられる'80's風のポップス・ナンバーである。が、聴かせるところはじっくりと聴かせてくれている。続く『Love Type Situation Reprise(Abrazame)』は本アルバムの締めとなる一曲であり、トラック3と同様にヒップ・ホップ系のアレンジであり、同じ傾向である。で、ボーナス・トラックという訳ではないが、ラストに『Goody Goody(Hip Hop Mix)』が収録されている。あの「ぐりぐり~♪」がヒップ・ホップ系となると、全く違う雰囲気の曲となっていて、ちょっと新鮮な感じを受ける。でも、「ぐりぐり~♪」というサビの部分はそんなに違和感がない。(一度は耳にしてください。)
'90'sになってからはヒップ・ホップというものが台頭し、一大勢力となり、その隆盛は現在にまで続いている。ということで、現在ではちょっと食傷気味にもなっている部分があるのだが、本アルバムはソウルフルなボーカルをじっくりと聴かせてくれていることもあって、単なる流行に沿ったものとしてではなく、時が流れても聴くことの出来る大人の鑑賞に堪えるものとして仕上がっている。ソウルフルな女性ボーカル・アルバム、じっくりと聴き込むのにはとても良いものである。
コメント 0