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MEAT LOAF『BAT OUT OF HELL II』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1993年に発表された6枚目のアルバムであるが、このアルバム・タイトルは1977年にリリースされたヒット・アルバムのタイトルを受け継いだ続編というものであり、久しぶりにビッグヒットとなったアルバムである。本アルバムは1994年のBillboard年間アルバム・チャートで9位(最高位は1週だけであったが1位に輝いた。)を記録した。(尚、『BAT OUT OF HELL』は1978年のBillboard年間アルバム・チャートで13位(レギュラー・チャートでは最高位14位)にランクインしている。)スケールの大きなロック・サウンドを聴かせてくれるが、メロディアスなメロディ、パワフルなメロディ、たっぷりと聴かせるところなど、実に内容が豊かであり、約75分という時間を全く飽きさせることなく、楽しませてくれるロック・オペラ仕立てのアルバムである。特に、ロックのリズムにピアノのサウンドが妙にマッチしていて、メロディアスでありながらも力強さを感じる独特のものとなっていて、これは聴き所の一つでもある。

尚、筆者は2002年にリリースされた「DELUXE EDITION」(2枚組)を所有しているが、1枚目はオリジナル・アルバム、2枚目は「SINGLE & RADIO EDIT/REMIXES」という構成になっている。(が、ここでは1枚目のオリジナル・アルバムについてのみ取り上げることにする。)

まずは12分という超大作である『I'd Do Anything For Love (But I Won't Do That)』でスタートとなる。ドラマ性を持った雄大なスケールの一曲であり、聴かせる所はじっくりと聴かせてくれて、パワフルなところはパワフルに、聴き応えのある超大作である。続く『Life Is A Lemon And I Want My Money Back』はパワフルでスケールの大きいロック・ナンバーであり、約8分という時間をグイグイと引っ張っていて、釘付けにしてくれる。続く『Rock & Roll Dreams Come Through』はロックのリズムに乗った聴かせるボーカル・ナンバーであり、とても聴きやすい一曲である。B. TYLERにも歌ってもらいたいと感じる一曲でもある。続く『It Just Won't Quit』は7分を越えるミディアム・テンポのロック・ボーカル・ナンバーであり、メロディアスな一曲でもあり、繊細なところは繊細に、それでいて全体的にはエネルギッシュに歌う彼のボーカルがスケールの大きな曲に融合していて、ドラマを盛り上げてくれている。

続く『Out Of The Frying Pan (And Into The Fire)』はテンポの良いロック・ナンバーであると同時に、ピアノのメロディがとてもメロディアスな一曲で力強さを感じる一曲である。尚、この曲は丸山みゆきさんがカヴァーした『FIRE』が1990年9月~1991年1月にかけて放送されたドラマ「スクール・ウォーズ2」('80sに輝くあのドラマ「スクール・ウォーズ」の続編であるが、このドラマは今一でした...)の主題歌として使われたことでも有名である。続く『Objects In The Rear View Mirror May Appear Closer Than They Are』はメロディアスなメロディのボーカル・ナンバーであり、更にはスケールの大きなドラマ性を持った雄大な一曲であり、10分を越える超大作であるが、全く飽きさせることのない一曲である。続く『Wasted Youth』は曲と言うよりも、台詞というものであり、ロック・オペラというドラマ性を持った本アルバムらしさの1トラックである。

続く『Everything Louder Than Everything Eles』はパワフルなハード系のロック・ナンバーであり、テンポの良い一曲であり、圧倒的なスケールの大きさとエネルギッシュな所を感じる一曲である。続く『Good Girls Go To Heaven (Bad Girls Go Everywhere)』はリズミカルでテンポの良いキャッチーな一曲であるが、冒頭の出だしはサックスのサウンドがちょっとジャジーなテイストでソウルフルに響き、そこからテンポの良いロックのリズムに代わり、パワフルに展開される一曲であり、聴きやすい一曲となっている。続く『Back Into Hell』は3分に満たないインスト・ナンバーであるが、ロックのビート、優しいピアノのサウンド、パワフルな所、繊細な所が交錯するナイスな一曲である。そしてラストを飾る『Lost Boys And Golden Girls』はピアノとコーラスを中心とした綺麗な一曲であり、ゆったりとした落ち着いたテンポの中で、ハートフルに大きなスケールで歌う彼のボーカルは聴き所である。また、美しいハーモニーの余韻の中で幕を閉じていく所は、映画のラストシーンに接しているような感じを与えてくれる。

本アルバムでは、かつてコンビを組んでいたJIM STEINMANとのコンビが復活しており、彼らしいサウンドが展開されている。特に、BONNIE TYLERの'80's中期の複数の某大ヒットアルバム(JIMのプロデュース・アルバム、これによって彼女が甦った。)のサウンドにも通じるところがあり、彼もまたかつてのように甦ることになった。ドラマ性を秘めた本アルバムは、1977年に発表された『BAT OUT OF HELL』の続編として、前作を越えたと言っても良い内容のものとなっていて、じっくりと楽しませてくれる。大ヒット作品の続編を作るというのは、映画の世界では当たり前となっていて、続編がヒットを記録しているが、音楽の世界では続編というものは殆ど無く、発表されても否定されることが殆どであるが、本作はそういうものとは違い、実にクオリティの高いものである。ロック・ファンであれば必ず耳にしてもらいたいアルバムであるが、ロック・ファンだけではなく、BONNIE TYLERをはじめとしてJIMがプロデュースしたアルバムがお好きな方、ドラマ性を持ったアルバムがお好きな方、テンポの良い男性/女性ボーカルがお好きな方であれば、本アルバムのサウンドというのは聴きやすいものでもあり、お奨めしたいアルバムである。(尚、2枚組の「DELUXE EDITION」でとは言わない。尚、DISC 2については、別の機会に取り上げる予定である。)

 

Bat out of Hell II: Back Into Hell

Bat out of Hell II: Back Into Hell

  • アーティスト: Meat Loaf
  • 出版社/メーカー: MCA
  • 発売日: 1993/09/14
  • メディア: CD


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