PINK FLOYD『ANIMALS』

「銭形泪」と「銭形零」の間に挟まることになる記事は、正直言うと何を持ってこようかと大いに悩むのだが、今回は「P」ということで、迷わずにPINK FLOYDである。（「ケータイ刑事」も「PINK FLOYD」も、ハマると、とことんまでハマってしまう...→「ハマるとヤバいんです♪」モードと言う...）「ケータイ刑事」と「PINK FLOYD」。どう考えてもこれらの間に繋がりがあるとは考えられないと思われるであろうが、実はちょっとした接点があるのである。（「ケータイ刑事」シリーズの最高傑作である「銭形泪」の第4話（こちらの記事もご覧下さい。）で、アルバム「THE DIVISION BELL」と遭遇している。）ということで、この両者は共に「人類が生み出した偉大な文化遺産」ということで繋がるのである。

表題のアルバムは1977年に発表されたものであり、1975年の「WISH YOU WERE HERE」に次いで2年ぶりに発表されたアルバムである。本作では人間社会を3つの階層に分けて、そういう階級社会を批判する内容のメッセージが込められていて、モンスター・アルバム「THE DARK SIDE OF THE MOON」から繋がる三部作の最後の一幕となるアルバムである。

で、3つの階層「犬」「豚」「羊」（これらの曲は、いずれもが10分を越える大作である。）と、ジャケットの裏面に描かれている空を「飛んでいる豚」をもじった曲（但し、これはメインとなる3曲のあくまでも露払いである。）という構成は、ブラックが利いていて秀逸である。また、ジャケットも素晴らしいものであるが、筆者はLPのジャケットの裏面が特にお気に入りであり、これを部屋に飾っていた時期があった。（それ故に、CDになって、その存在感のなさには愕然とするばかりである。）ということで、彼らのアルバムはサウンドだけではなく、ジャケットまでもが芸術品なのである。（それ故に、CDジャケットの味気なさと言ったら...）

再生を始めると、まずは前奏曲とでも言ったらいい『Pigs On The Wing, Part. 1』によって彼らの独自の世界にワープすることになる。で、続いては『Dogs』の登場となる。更には『Pigs (Three Different Ones)』と『Sheep』が続くことになるが、本作のようなアルバムではCDとなったことで、このメインとなる3曲をノンストップで堪能できるということがありがたく感じる。（LPではA/B面に別れているため。これは出来ない芸当である。→長時間の収録が出来るという「CD」の時代となって良くなった点の一つである。）いずれの曲もがスケールが大きく、雄大であり、「動」と「静」のコントラストの表現も実に彼ららしいサウンドを奏でてくれる。本作については「駄作」と評する方もいるが、そんなことはなく、やはり本作も人類が20世紀に生み出した偉大な文化遺産の一つである、と強く認識させてくれる。で、40分近い3曲が終わると、『Pigs On The Wing, Part. 2』が良い形で結んでくれて幕が下りるが、こういう構成も「いい」と言うだけであり、酔いしれるばかりである。

P. FLOYDの音楽は、20世紀の人類が生んだ偉大な文化遺産であり、それを理解できる者にのみ聴くことを許された極上の「音の宝石箱」である。よって、本アルバムを理解できないという方もおられるだろう、ということなので「お奨め」とは言わないが、FLOYDのサウンドを聴かないという方は悲しいですよ。（と同時に、（早くも）21世紀の生み出した文化遺産である「ケータイ刑事」(特に「銭形泪」)に触れてみるのは如何。）

 

Animals

• アーティスト: Pink Floyd
• 出版社/メーカー: Columbia
• 発売日: 2000/04/25
• メディア: CD

 

↓「ケータイ刑事 銭形泪」はこちらです。（全3巻）

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 1

• 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
• 発売日: 2004/10/22
• メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 2

• 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
• 発売日: 2005/02/25
• メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

• 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
• 発売日: 2005/06/24
• メディア: DVD