ROLLING STONES『EMOTIONAL RESCUE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表されたものであるが、何故か評価が低いアルバムである。それでも本アルバムは全米No.1の座を獲得しており、また、1980年のBilboard年間アルバム・チャートでも35位にランクインするヒットを記録している。(しかも7週連続No.1となっている。)まあ、内容は良いのにセールスが今ひとつというアルバムは多いが、セールスが良いのに内容が今一というアルバムも実際にあるもので、その代表的なアルバムとして取り上げられることがあるアルバムの一つとなっているのがちょっと残念なところである。とにかく、本作のサウンドはバラエティに富んでいて、幅広いサウンドを楽しむことが出来る。こういう部分が嫌われたということになるのだろうが、こういう実験的な試みは悪いものではなく、しかも本アルバムは、新たなディケイドを迎えた1980年の作品と言うことを考えたら、もっと高く評価されても良いと思うのだが...(最近、'70'sや'80's(前半)に発表された数多くのアーティストのアルバムが再評価されるようになっているが、本アルハムも是非そうなってもらいたいところである。)
収録されている曲は以下の10曲である。『Dance, Part. 1』『Summer Romance』『Send It To Me』『Let Me Go』『Indian Girl』『Where The Boys Go』『Down In The Hole』『Emotional Rescue』『She's So Cold』『All About You』。
この中では、シングル・ヒットを記録した『Emotional Rescue』が代表曲と言うことになるが、それ以外の曲も、ファンキーな。『Dance, Part. 1』、ロカビリーを意識した『Summer Romance』、レゲエ風の『Send It To Me』、落ち着いた『Let Me Go』、カントリーのテイストを感じる『Indian Girl』というように、曲毎に雰囲気が変わるところは、何となくベスト盤のような雰囲気を感じるものである。(「ベスト盤」と言うと語弊があるが、ヒット曲を中心としたベスト盤の選曲だと、統一感が薄くなるが、そういったテイストがするということである。)更に、後半に入ってもロックのペースは変わらず、誰もがこの曲だけは評価をしている『All About You』がじっくりと聴かせるバラードで幕を締めくくってくれる。
こういうアルバムも、彼らの長いキャリア を考えたらありというものであり、ここで行った実験的なサウンドは後にちゃんと花を咲かすことになるのもやはりストーンズである。本アルバムの発表時期は、時代の変わり目で、世界的なディスコ・ブームからの脱却で数多くのアーティストたちが色々な実験を行った時期にも重なることから、ストーンズもそういうことを行ったということで、やはりその存在感を感じるアルバムである。是非耳にして、再評価してもらいたいアルバムである。
↓こちらはUSの限定版です。
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