SHEENA EASTON『BEST KEPT SECRET』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1983年に発表されたアルバムである。'80'sになって彗星の如く現れたSHEENAであるが、元々歌唱力はある彼女だけに、この時期になるとすっかり安定したこともあって、落ち着いてじっくりと楽しむことの出来る楽しいポップなボーカル・アルバムとして仕上がっている。サウンドの方は'80'sということを感じるものであり、安心して聴くことの出来るものである。(ただ、1st.アルバムのような衝撃的な新鮮さは薄くなっていますが...)
収録されている曲は以下の10曲である。『Telefone(Long Distance Love Affair)』『I Like The Fright』『Almost Over You』『Devil In A Fast Car』『Don't Leave Me This Way』『Let Sleeping Dogs Lie』『(She's In Love) With Her Radio』『Just One Smile』『Sweet Talk』『Best Kept Man』。
この中ではシングル・ヒットを記録した『Telefone(Long Distance Love Affair)』がテンポの良い'80'sポップス路線の曲で聴きやすいものであるが、上手さを持つSHEENSだけに、『Almost Over You』のようなバラード調でじっくりと聴かせる曲は秀逸である。豊かな表現力と確かな歌唱力を発揮していて、大きなスケールでたっぷりと聴かせてくれる。(この曲は時代に残る名曲である。)更に、筆者のお薦め曲として『Just One Smile』と『Sweet Talk』も記しておくことにする。
ボーカル・アルバムでは、やはり歌唱力、表現力がものを言うことになる。本アルバムではポップス路線の楽しい世界を生み出しているが、明るく楽しいというメロディだけではなく、「歌」の本質である所をたっぷりと聴かせてくれるSHEENAのボーカルがあるからこそ、感動を与えてくれる作品となっている。アルバム・セールスの点ではとくに凄い数字を残したものではないが、本アルバムには本物の「歌」を聴かせてくれるというところがある。(こういうアルバムを「隠れた名盤」というのである。)じっくりと聴いて欲しいアルバムである。
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