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SUPERTRAMP『BREAKFAST IN AMERICA』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1979年に発表されたものであり、10年というキャリアを重ねて、6枚目のアルバムでようやく世界的に認められる傑作を生み出した。本アルバムは来るべき新時代である'80'sを前にして、'70'sにその名を残すことになった名盤である。元々は正統派のブリティッシュ・ロック・サウンドを奏でていた彼らであったが、アメリカを拠点とし、ポップな路線に転換を図って世界的なヒットを生み出すことになった。本作のサウンドは、シンプルながらもポップ寄りの聴きやすいものとなっていて、次々とシングル・ヒットを生み出した。ということもあって、本アルバムも大ヒットして、全米No.1の座を獲得した。(しかも、4週連続1位の後、一旦その座を明け渡すも、再び返り咲いて2週間、通算で6週No.1の座を獲得した。)また、1979年のBillboard年間アルバム・チャートでも5位という位置にランクインしている。まさに本アルバムは彼らの代表作である。(ジャケット写真の方も、ニューヨークの摩天楼を思わせる構図となっているが、よく見るとそれらは食卓の上に並ぶもので作られている。)

収録されている曲は以下の10曲である。『Gone Hollywood』『The Logical Song』『Goodbye Stranger』『Breakfast In America』『Oh Darling』『Take The Long Way Home』『Lord Is It Mine』『Just Another Nervous Wreck』『Casual Conversations』『Child Of Vision』。この中からは4曲のシングル・ヒットが生まれているが、その中でもやはり『Breakfast In America』である。爽やかさを感じるメロディにポップのエッセンスが利いていて、とても優しい一曲である。また、やはりシングルヒットした『The Logical Song』(1979年のBillboard年間シングル・チャートで27位、レギュラー・チャートで最高位6位を記録)も聴きやすく心地良さを与えてくれるし、『Take The Long Way Home』(1980年のBillboard年間シングル・チャートで86位、レギュラー・チャートで最高位10位を記録)も同様の曲であり、これらは「アート・ロック」と評された彼らのサウンドの特徴の集大成でもある代表的な曲でもある。その一方で、『Child Of Vision』は綺麗なメロディの一曲でもあり、とてもいい雰囲気で締めくくってくれる所は本アルバムの一つの聴き所でもある。

「苦節○年」という言葉をよく耳にするが、彼らは「苦節10年」で世界的なトップ・バンドの地位を本作によって得ることになったが、やはり10年という時間が彼らのサウンドを成熟させることにもなっていて、実に味わいの深いアルバムとしてまとめ上げられている。この後、メンバーチェンジが行われて、アルバムをリリースし続けているが、あまりにも偉大な本作を越えるような作品は残念ながら生まれていない。(やはり、偉大な作品を生み出すと、その後は難しいようである。)が、本作の放った輝きは、リリースから四半世紀以上の時が流れても、決して衰えるものではなく、その輝きは発表当時と変わっていない。ポップ路線で聴きやすいだけでなく、とても優しいサウンドのアルバムであり、じっくりと聴き込みたくなるアルバムである。

 

Breakfast in America

Breakfast in America

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 2002/06/11
  • メディア: CD


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