WHITESNAKE『READY AN' WILLING』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表されたものであり、彼らの3枚目のアルバムである。彼らは'80's後半になると、所謂「商業ロック(産業ロック)」の代表的なグループとしてその名前が取りざたされるのだが、アメリカでブレークする前の彼らは、ハードなロックを奏でる路線を突っ走っていて、なかなかのものを聴かせてくれていた。本作はそんな彼らが'80'sという新しいディケイドを迎えて、自分たちの音楽をやる、ということで発表したものである。で、アメリカではさっぱりだったが、欧州や日本ではヒットを記録した。この時期の彼らのサウンドにはハードなロック・スピリッツに満ちていて、ハード系ロックがお好きな方にはたまらない嬉しさがある。
収録されている曲は全9曲であり、以下の通りである。『Fool For Your Loving』『Sweet Talker』『Ready An' Willing』『Carry Your Load』『Blindman』『Ain't Gonna Cry No More』『Love Man』『Black And Blue』『She's A Woman』。
この中では、後に自らの手でリメイクした名曲『Fool For Your Loving』があるが、この曲は本アルバムに収録されているものの方が断然素晴らしい。この曲をしっかりと聴くにはやはり本アルバムで聴くべきである。そして、更に『Sweet Talker』『Ready An' Willing』と続くパワフルな迫力、『Ain't Gonna Cry No More』のスケール感の大きさなどは彼らの代表曲のオンパレードと言うことになっていて、本アルバムが彼らの代表作と言うことを改めて確認できることになる。
当時は「ヘビーメタル」という言い方はまだ広く受け入れられたものではなく、日本を中心に極限られた範囲でしか通用しない言葉であった。が、この当時の「ヘビーメタル」と、アメリカにも浸透して世界的にも通用するようになった「ヘビーメタル」というサウンドには違いがある。前者はギンギラ系のサウンドでありながらも、魂の叫びがあった。(後者には、どうしても「商業ロック」というものが根底にあり、ロック・スピリッツというものが希有になっている...)本アルバムには自分たちのやりたい音楽をたっぷりと奏でることが出来るという自由の元に、ブルース系の魂を注ぎ込んでいるサウンドをたっぷりと聴かせてくれる。やはり、WHITESNAKEと言えばこの頃のアルバムに限る。('84年の「SLIDE IT IN」まで)'80's後半のヒットアルバムには無いものを味わうことが出来るアルバムであり、彼らのサウンドを聴くならば、本アルバムを外すことはしないでもらいたい所である。
- アーティスト: Whitesnake
- 出版社/メーカー: Emi
- 発売日: 2002/08/19
- メディア: CD
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