FIRST BLOOD(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の映画はスタローン主演の1982年の「ランボー」である。このシリーズはその後、1985年、1988年に続編が製作されている。この度、このシリーズの続編「ランボー4」が、スタローンの監督、脚本、主演で制作されていることが分かったので、取り上げることにした。(今年の秋にクランクインし、公開は2008年になる予定とのこと。還暦を迎えたスタローンがどれほどのアクションを見せてくれるのだろうか。ある意味期待してしまいますが、不安の方が...)このシリーズの第1作である本作は、ベトナム戦争の帰還兵である元グリーン・ベレーの男が、友人を訪ねた町で、流れ者という理由だけで逮捕され、屈辱的な仕打ちを受けて怒りを爆発させるという物語であり、人間の心の内側を描いた作品ということで、味のある作品である。(2作目以降は、派手なアクションが中心となり、派手さはあるが、ドラマとしての重みは軽くなってしまった。)監督はテッド・コッチェフ、スタローンは脚本と主演を務め、共演はリチャード・クレンナ、ブライアン・デネヒーらである。また、音楽を担当したのはジェリー・ゴールドスミスである。
収録されているのは全12曲である。ラストの『It's A Long Road[Theme From First Blood]』以外はインスト・ナンバーであり、このダン・ヒルが歌う曲がテーマ曲として映画本編ラストのエンドロールで流れるが、孤独な男の心を表現したスローなテンポで繰り広げられるじっくりと聴かせてくれるボーカル・ナンバーである。収録曲は以下の通り。『Home Coming』『Escape Route』『First Blood』『Tunnel』『Hanging On』『Mountain Hunt』『My Town』『Razor』『No Power』『Over The Cliff』『It's A Long Road』『It's A Long Road[Theme From First Blood]』。
とにかく、ラストの『It's A Long Road[Theme From First Blood]』が全てを語っている。それまでの曲(言い換えれば、スコアということになる。)も片田舎の雰囲気や、苦悩する男の心を見事に表現しているが、ダン・ヒルのボーカルがその心を見事に歌っている。(こういう曲を隠れた名曲というのである。)本作がヒットしたことで、続編が製作され、アクション中心の娯楽作品へと変貌していくことになったが、この第1作は、アクションという点では控えめになっていて、心のドラマを堪能できる秀作である。サントラ盤と共に、じっくりと味わってもらいたい所である。
↓映画DVDはこちら
コメント 0