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ANNIE LENNOX『MEDUSA』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1995年に発表した彼女の2nd.ソロ・アルバムである。本アルバムを発表した時の驚きは、本アルバムはカヴァー曲集であるということであった。しかも、じっくりと聴かせるメロディアスなボーカル・ナンバーがあると思えば、EURYTHMICSのサウンドを彷彿させるもの、ポップス調の明るく楽しい曲、アコースティック・サウンドを意識した曲、というように、その内容はバラエティに富んでいる。が、共通しているのは、いずれもがソウルフルにじっくりとボーカルを聴かせてくれる、と言うことである。EURYTHMICにおける彼女といえば、精密機械の一部を構成する正確無比のサウンド・マシーンといった雰囲気があったが、本アルバムではそういうものは一切無く、女性ボーカリストとしての優しさに満ちたアーティストの姿である。尚、本アルバムは1995年のBillboard年間アルバム・チャートでは50位、レギュラー・チャートでは最高位11位を記録している。

収録されているのは以下の全10曲である。『No More "I Love You's"』『Take Me To The River』『Whiter Shade Of Pale』『Don't Let It Bring You Down』『Train In Vain』『I Can't Get Next To You』『Downtown Lights』『Thin Line Between Love And Hate』『Waiting In Vain』『Something So Right』。この中からは『No More "I Love You's"』『Whiter Shade Of Pale』『Waiting In Vain』『Something So Right』がシングル・カットされてヒットを記録しているが、Billboardの年間TOP 100に残っているのは『No More "I Love You's"』だけである。(1995年、年間78位、レギュラー・チャートの最高位は23位)しかし、あの名曲『Whiter Shade Of Pale』(邦題「青い影」と記せば、あの名曲だと直ぐにお分かり頂けるであろう。)は透明感のある綺麗なメロディのスローなテンポのボーカル・ナンバーとして甦っていて、ここでも「名曲はいつの時代でも名曲である」ということを教えてくれる。(この曲は完全に「エヴァー・グリーン・ミュージック」として音楽史に残る名曲です。)

筆者のお薦め曲は、『No More "I Love You's"』『Whiter Shade Of Pale』の2曲は絶対に外せないが、ポップな『I Can't Get Next To You』、ソウルフルな『Downtown Lights』、アコースティック・ギターのメロディが優しい『Waiting In Vain』、綺麗なメロディのスローなナンバー『Something So Right』といった所をピックアップしておく。(が、ボーカル・アルバムとして捉えたら、全曲お薦めというのが正直なところでもあります。)→早い話、いずれの曲も名曲と言っていいものばかりであり、それに新しい魂をANNIEが吹き込んでいる。つまり、新たな命を吹き込まれた名曲ばかりだから、全てがお薦めなのである。

'90'sになると、まずはヒーリングと言われるような環境音楽や、カントリー系のアコースティック・サウンドというナチュラルなサウンドが台頭したが、ボーカル・ナンバーというのはその流れを受けたものでもある。いくつかのボーカル・アルバムが'90'sには「名盤」として登場しているが、本アルバムは間違いなくその中の一つとして数えられるものである。もう「聴く」しかないでしょう。そして、じっくりと聴き込みましょう。

 

Medusa

Medusa

  • アーティスト: Annie Lennox
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1995/03/14
  • メディア: CD

↓本アルバムは、NY・セントラル・パークでのライブが収録された2枚組として、後にリリースされました。

Medusa/Live in Central Park

Medusa/Live in Central Park

  • アーティスト: Annie Lennox
  • 出版社/メーカー: BMG International
  • 発売日: 1997/12/16
  • メディア: CD


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