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BILLY JOEL『COLD SPRING HARBOR』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1971に発表されたBILLYの1st.ソロ・アルバムである。それまではHASSLESなどで活動していたBILLYであるが、本アルバムによって「ピアノの吟遊詩人」と言われた彼のキャリアが始まることになる。が、本アルバムは当時は大したセールスも記録することはなかった。(後に彼がビッグになってから、再リリースされて注目されることになり、再評価され、今では高い評価を得ているアルバムである。)ピアノを中心としたサウンドは、派手さはないが、心に落ち着きを与えてくれるしっとりとしたものであり、直接心に届く優しいものである。

収録されている曲は以下の全10曲である。『She's Got A Way』『You Can Make Me Free』『Everybody Loves You Now』『Why Judy Why』『Falling Of The Rain』『Turn Around』『You Look So Good To Me』『Tomorrow Is Today』『Nocturne』『Got To Begin Again』。この中で秀逸なのは『She's Got A Way』である。ピアノのサウンドを中心としたしっとりとした曲であるが、後のアルバム「SONGS IN THE ATTIC」で再度取り上げられているが、オリジナルは本アルバムである。(やはり、名曲はいつの時代でも名曲である、ということを教えてくれている。)聴き比べるをしても良いし、それぞれをじっくりと聴き込むのも良いし、たっぷりと堪能したい所である。また、『Everybody Loves You Now』や『Turn Around』『Nocturne』などもピアノ・サウンドの良い味が出ていて、お薦めである。

尚、本アルバムでの彼の声が、後のアルバムでの声と大きく違うのは、本アルバムをレコーディングしたマスター・テープをリマスタリングする際に、通常よりもテープのスピードが速く再生されたため、声が高くなってしまった、というのは有名な話です。(後に、わざとこのようにして声を高くするという手法を用いたアーティストがいましたね...)現在だったらデジタル・レコーディングのため、こういうことはあり得ませんが、アナログ・レコーディング時代の逸話としたら面白いものです。

BILLYは、ソロになってからしばらくは芽が出ず、NYに移ってからブレイクすることになるが、ブレイクしたからこそ、ブレイク前の作品も現在では再評価されて高い評価を受けているが、こういうケースは非常に珍しいことである。(ブレイクしても、以前のアルバムは再評価されないことが多い...)特にBILLYの初期アルバムと接すると、他の多くのアーティストの初期作品についてもしっかりと聴いて、再評価を行ってもらいたい、という気になってくる。BILLYの初期アルバムはそれだけの内容があったためであるが、そういうことまで思わせてくれるBILLYのアルバムは、やはりサウンドだけでなくそれだけの内容があったということである。じっくりと聴き込んでもらいたいアルバムである。

 

Cold Spring Harbor

Cold Spring Harbor

  • アーティスト: Billy Joel
  • 出版社/メーカー: Sony Japan
  • 発売日: 1998/10/20
  • メディア: CD


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