EARTH WIND & FIRE『RAISE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表されたものであり、'80'sになっても彼らのスケールの大きなサウンドは健在であるということを証明したアルバムである。サウンドの方は'70'sの彼らのサウンドが'80's風の華やかなものが加わり、パワー・アップしたものであり、シングル『Let's Groove』が勢いに乗って大ヒットを記録し、本アルバムの方も1982年のBillboard年間アルバム・チャートでは67位、レギュラー・チャートでは最高位5位というヒットを記録した。('70's終盤の勢いを考えたら、ちょっと物足りなさも感じてしまいます。)
収録されているのは以下の全9曲である。『Let's Groove』『Lady Sun』『My Love』『Evolution Orange』『Kalimba Tree』『You Are A Winner』『I've Had Enough』『Wanna Be With You』『Changing Times』。この中では、冒頭の『Let's Groove』がシングル・カットされて、1982年のBillboard年間シングル・チャートの33位、レギュラー・チャートでは最高位3位を記録する大ヒットとなり、この曲は今でもライブではここぞと言う時に演奏される曲でもあり、彼らの代表曲の一つにもなっている。(少なくとも、「'80's以降」という条件を付けたら、間違いなく「代表曲」である。)
それ以外にも本アルバムでは『Evolution Orange』がお薦めである。この曲のホーンとストリングスのアレンジは絶品であり、人気の高い一曲である。更には彼らのもう一つの持ち味である美しいバラード・ナンバーである『My Love』も優しく甘い一曲である。まさに、'70'sで色々な実験的なサウンドに挑んでいた彼らの集大成といった所である。
アルバム・ジャケットもこれまでの彼ららしいものであり、古代エジプトの神像であり、やはり彼らのジャケットはこうでなければならないと思うが、その通りというのも嬉しいところである。(が、CDの時代になってからはアルバム・ジャケットに求められる芸術性というものは失われてしまった。30cmのLPジャケットと12cmのCDジャケットでは、根本的に存在感が違いますからね。→LPからCDに移行したことによる唯一の改悪点が、このジャケットに関する部分ですから...)
'70'sに活躍したアーティストたちは'80'sになると次々と消えていったが、少なくともEW & Fは'80'sでもしっかりと彼らの存在感を示してくれた。(本アルバムの後はさっぱりという状況になってしまいましたが...)本アルバムは'80'sのEW & Fの代表作であり、これまでに彼らが築き上げてきたサウンド・ワールドを'80'sという時代に融合させたものである。本アルバムに対する評価は決して高くないが、彼らを語る上ではやはり忘れることの出来ないアルバムの一つである。'80'sサウンドがお好きな方はしっかりと聴きましょう!
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