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FIXX『PHANTOMS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1984年に発表された彼らの3rd.アルバムである。前作「REACH THE BEACH」でブレークした彼らであるが、その勢いは続かず、この程度のアルバムと言うことでがっかりしたアルバムである。(その辺りは、一般の方々も敏感に受け止め、本アルバムはさっぱりだった。)サウンドは'80'sポップスの流れを受けたシンセサイザーを中心に据えたものであるが、これという個性が無く、その種のサウンドがお好きな方にとっては「可もなく不可もなし」ということであったが、クオリティの高い1983年の数々の名曲を体験した者にとっては期待を完全に裏切ることになった。とにかく、1983年に発表されたものは優秀な曲が目白押しであり、この1年で音楽シーンは数年分以上の格段の進歩を遂げたが、その'83年サウンドの延長線上にもかからなければ、こういうことになるのは当たり前である。

収録されているのは以下の全12曲である。『Lose Face』『Less Cities, More Moving People』『Sunshine In The Shade』『Woman On A Train』『Wish』『Lost In Battle Overseas』『Question』『In Suspense』『Facing The Wind』『Are We Ourselves』『I Will』『Phantom Living』。この中からは『Are We Ourselves』がシングル・カットされてそれなりのヒットをしたものの、彼らをブレークさせた『One Thing Leads To Another』のような斬新さ、心地良さがなく、これはシングル・カットする曲を間違えたと言わざるを得ない。そんな中、本アルバムの中では『Sunshine In The Shade』と『I Will』はお薦めできる曲である。(これらを先にシングル・カットしていれば、もう少し状況は変わっただろう。)

1984年といえば、前年1983年のクオリティの高さからそのままの勢いを保ったクオリティの高いものと、その反動からか、駄作と言えるものが多数存在した。また、'80'sになって新たなメディアとして定着したMTVの方も、最初の興奮が冷めてきて、「淘汰」の時期を迎えることになったが、良い意味でも悪い意味でも本アルバムは後者の代表のようになってしまった。(が、「代表」と言われることで、時代に残ることになったのは皮肉でしょうか?)'80'sのシンセ・サウンドがお好きな方は十分楽しむことが出来るアルバムであるが、そうでない方にとっては、'80'sを象徴するアルバムの一つということで、とりあえずは聴いてみてもらいたいアルバムである。(ひょっとしたら、これから再評価される可能性もないとは言えませんし...)

 

Phantoms

Phantoms

  • アーティスト: The Fixx
  • 出版社/メーカー: One Way
  • 発売日: 2001/09/25
  • メディア: CD


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