ENYA『SHEPHERD MOONS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1991年に発表された彼女の2nd.アルバムである。また、本アルバムは199週間にわたってBillboard誌のアルバム・チャートにランクインした超ロングセラー・アルバムである。(が、これでも上はたくさんあり、長期エントリーアルバムのTOP 20には顔を出さない。TOP 20に顔を出すには、まだあと約1年入り続けなければならない。)レギュラー・チャートでは最高位17位であったが、1992年の年間アルバム・チャートでは28位、翌1993年の年間アルバム・チャートでは75位にランクインしている。彼女の奏でるサウンドは「ヒーリング」系のものであり、誰もが心を癒されるというサウンドであり、叙事詩的な幻想的な世界へ誘ってくれるが、透明感溢れる彼女のボーカルがまた一段とそういう世界へ引き込んでくれる。'90'sの初頭にこのジャンルの音楽が確立し、彼女をはじめ大ヒットを飛ばすアーティストが現れたが、彼女はその代表格である。
収録されているのは以下の全12曲である。『Shepherd Moons』『Caribbean Blue』『How Can I Keep from Singing?』『Ebudae』『Angeles』『No Holly for Miss Quinn』『Book of Days』『Evacuee』『Lothlorien』『Marble Halls』『After Ventus』『Smaointe』。
いずれの曲もが幻想的な叙事詩の世界をロマンティックに、語りかけるかのように優しく響いてきて、聴いていると時の経つのも忘れて安らぎの世界にいる自分に気がつくことになる。こういう世界を構築するには、彼女のしっかりとした歌唱力のあるボーカルがあるためであるが、これまでの女性ボーカリストとは違った透明感溢れるボーカルは、もはや一つの楽器と言っても過言ではない。その彼女のボーカルとオーケストラティックなスケールの大きいサウンド、これらが前作同様に本アルバムでも見事な調和が取れている。
「癒し」のサウンドがヒットすると言うことは、それだけ社会生活で色々なストレスを蓄積させていくということであるが、彼女のサウンドは確かにそういうストレスを消してくれる効果がある。毎日聴くというようなサウンドではなく、時々耳にするということで心を癒してくれる彼女のサウンドは、「音を楽しむ」という音楽ではあるが、もはや精神的療法と言うことも出来る。(が、こういう療法は法律的には認められない。あくまでも個人的な精神世界の問題である。)精神安定剤にもなるということで、お手元のライブラリーに加えておきましょう。
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