ICE CUBE『AMERIKKKA'S MOST WANTED』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1990年に発表されたものであり、同年のBillboard年間アルバム・チャートで82位、レギュラー・チャートでは最高位19位を記録したラップ・アルバムである。このアルバムは、ラップと言っても少々違うものとなっていて、まずはダンサブルな曲ではないというのが大きな特徴である。更に、本アルバムではアメリカに対する怒りのメッセージが込められた社会派ラップである。サウンドの方も、イースト・コーストのサウンドとなっていて、度肝を抜いてくれる。で、本アルバムによって「ヤバイ」存在としてその名を高めることになった。
収録されているのは以下の全16曲である。『Better Off Dead』『Nigga Ya Love To Hate』『AmeriKKKa's Most Wanted』『What They Hittin' Foe?』『You Can't Fade Me/JD's Gaffilin'』『Once Upon A Time In The Projects』『Turn Off The Radio』『Endangered Species (Tales From The Darkside)』『Gangsta's Fairytale』『I'm Only Out For One Thang』『Get Off My *** And Tell Yo ***** To Come Here』『Drive-By』『Rollin' Wit The Lench Mob』『Who's The Mack?』『It's A Man's World』『Bomb』。
ここでは、彼のメッセージの是非については語らないが、評判が高い『Nigga Ya Love To Hate』『Once Upon A Time In The Projects』『Who's The Mack?』といった辺りを聴いてもらいたい所である。更に、筆者のお薦めは『Better Off Dead』と『Turn Off The Radio』をピックアップしておく。
社会派と言えば、異端児扱いされて、虐げられるというようなことがこれまでの音楽シーンではよくあったことであるが、そういう扱いにもものともせずに(アメリカ)社会の問題を告発する彼のエネルギッシュな所、もはや絶品というレベルを越えて「ヤバイ」というレベルに達しているサウンドは「混迷の時代」と言われることになる'90'sを予言しているかのようでもあり、面白いところでもある。が、ラップがお好きな方はかえって敬遠した方がいいかもしれません。とにかく「ヤバイ」ラップの嵐ですから... 社会派ミュージックに関心のある方は聴きましょう。(時事評論家というような人たちに彼のメッセージの解説をしてもらいたい所ですが、頓珍漢なことしか言わないでしょうね...)それにしても、ジャケット写真の彼の表情は...
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