KARLA BONOFF『RESTLESS NIGHTS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼女の2nd.アルバムである。彼女はソングライターとしての名前の方が先に広がったと言うところがあるが、シンガーとしてもなかなかどうして、じっくりと聴かせてくれるアーティストである。特に本アルバムは彼女の放った傑作としてその名を知られたアルバムであり、'80'sという時代を目前にして、ウエスト・コーストの名だたるミュージシャンたちが集まったアルバムである。まさに、'70'sという時代の最後に、時代に刻み込むアルバムを残すことになったのである。
収録されているのは以下の全9曲である。『Trouble Again』『Restless Nights』『Letter』『When You Walk In The Room』『Only A Fool』『Baby Don't Go』『Never Stop Her Heart』『Loving You』『Water Is Wide』。
この中からは、何と言ってもアルバム・タイトル・ナンバーである『Restless Nights』が秀逸である。優しく、それでいてしっかりと芯のあるクールなボーカルは、とても聴きやすいものである。また、それでいてロック・チューンである『Trouble Again』や、ポップでテンポが良くリズミカルな『When You Walk In The Room』、コーラスが印象的な『Baby Don't Go』、じっくりと聴かせるバラードの『Water Is Wide』など、まさにバラエティに富んだ内容となっていて、色々と聴かせてくれている。しかも、それらが高次元でバランスが良く纏まっていて、何でもありという軽い物ではなく、絶妙のバランスを持って仕上げられた一大モニュメントのようになっている。
'80'sの時代となると、音楽シーン全体がポップな方向に一段とシフトして、じっくりと聴かせてくれるアルバムというものが少なくなったが、'70'sの最後に'80'sでもじっくりと聴くことが出来るものを残してくれた。彼女はシンガーとして発表したアルバムは多くはないが、本アルバムのように長く、いつの時代でも堪能できるアルバムを発表している真のアーティストである。女性ボーカルがお好きな方はじっくりと聴き込みましょう。
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