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MEN AT WORK『BUSINESS AS USUAL』 [音楽(洋楽)]

先のMOVING PICTURES、MIDNIGHT OILに続いて、奇しくもオジー・バンドの3連チャンということになったが、'80's初期のダウンアンダー勢力の一大ブームを象徴するバンドの登場です。表題のアルバムは1982年に発表された彼らの1st.アルバムであるが、'80'sのダウンアンダー勢力の一大ブームを象徴する、そのムーブメントの代表的なアルバムである。このアルバムは、とにかくバカ売れして、Billboardのチャートを15週間にわたって1位の座を独占するヒットとなった。が、1983年のBillboard年間アルバム・チャートでは2位である。(というのは、このアルバムが1位を明け渡したのはMICHAEL JACKSONのモンスター・アルバムである「THRILLER」であり、こちら超ヒットのその上を行くヒットになったためである。普通の年であれば文句なしの年間1位を獲得していてもおかしくないのだが、こういうのは運/不運という所もあります。)また、本アルバムの長期1位独占から始まって、この後は「THRILLER」「SYNCHRONICITY」「FOOTLOOSE」「PURPLE RAIN」というアルバムが10週以上1位の座に居座るという、上位が動かないアルバム・チャートが2年と少し('82/11~'85/1)の間続くことになるのである。(他にも5枚のアルバムがこの間に1位の座に輝いているが、それらはいずれも短期の1位獲得であった。)

彼らのサウンドは、実にシンプルなものであり、そこに印象的なサックスを取り入れたサウンドは、シンセサイザーを多用した所謂ニューウェーブ系のサウンドが氾濫してくる当時の音楽シーンの中で、原点回帰という新鮮なものを与えてくれた。(何処かしら、'79年のKNACKのようなシンプルでストレートなロックが大ヒットしたのとダブるところがある。)また、生まれて間もない新メディアであるMTVでも、ユニークなPVが大受けしたことも、彼らが時代の寵児となった一因である。まさに時代のニーズにジャストフィトしたということである。そして、ボーカルのコリン・ヘイのちょっと惚けたキャラというのもまたあったことも否めない。

収録されているのは以下の全10曲である。『Who Can It Be Now?』『I Can See It In Your Eyes』『Down Under』『Underground』『Helpless Automaton』『People Just Love To Play With Words』『Be Good Johnny』『Touching The Untouchables』『Catch A Star』『Down By The Sea』。

この中からは2曲の全米No.1ヒットが生まれていて、いずれの曲もが当時を代表する曲となっている。まずは『Who Can It Be Now?』であり、とにかくいきなりサックスが響くシンプルなロックは、当時、一気に浸透しようとしていたシンセサイザーを用いたエレクトリック・サウンドとは一線を画するものであり大きな衝撃を与えることになった。で、この曲が全米No.1の座を獲得するヒットとなった。(1982年のBillboard年間シングル・チャートでは30位にランクインした。また、レギュラー・チャートでの1位の座は1週間のみである。)が、その勢いは止まらず、続く『Down Under』がそれを上回るヒットを記録した。この曲は1983年のBillboard年間シングル・チャートでは堂々の4位にランクインした。また、レギュラー・チャートでは3週連続1位を獲得し、1週間だけTOTOの『Africa』にその座を明け渡すも、翌週には1位に返り咲き、通算で4週1位となった。ミディアム・テンポで、どこか長閑な雰囲気がする不思議な魅力のあるポップスよりのロック・ナンバーである。

この他の曲も、シンプルであり、サックスやフルートといった楽器を巧みに使っていて、不思議な穏やかさを持った楽しいナンバーのオンパレードとなってて、捨て曲は全くない見事な完成度のアルバムとなっている。で、お薦め曲は、『Down Under』『Who Can It Be Now?』『Be Good Johnny』『Down By The Sea』『Underground』という所を記しておくが、全曲お薦め曲としたいところでもある。(特に筆者は『Down Under』がお気に入りです。)

技術の進歩によって日々高度な技術の集積が続いている現在、彼らの放つシンプルなサウンドは、技術に頼らずに基本に戻っても、実に素晴らしいものが出来る、ということを教えてくれている。また、PVの方にあるコミカルな要素は、肩肘張らないで「楽しくやろうよ」というメッセージでもある。が、それでいてごく普通の人間の声をそのまま歌詞にしてメッセージとして放つように、結構シビアな所もある。これらのバランスを取るというのは実に難しいことであるが、本アルバムはそれらが絶妙の感覚でバランスを取っている。まさに、「ダウンアンダー」と言われるように世界のメジャーではなく片隅に追いやられるという不遇をエネルギーにして、「音楽の原点」を教えてくれている。(こういう所は、BSデジタル放送、低予算作品として肩身の狭い所がありながらも、今では日本を代表する若手映画人(監督)がこぞって集まり、内容のある実に楽しい独自の世界を生み出した「ケータイ刑事」シリーズでも垣間見られていることである。)本アルバムは'80'sの音楽シーンに残る大傑作アルバムであり、'80'sサウンドを楽しむという方は聴かなければならないアルバムである。しかし、だからと言って肩肘を張って聴くことはせず、力を抜いて楽しみましょう!

 

Business as Usual

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  • アーティスト: Men at Work
  • 出版社/メーカー: Sony Budget
  • 発売日: 2003/12/15
  • メディア: CD

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