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「007/THE SPY WHO LOVED ME」 [映画(洋画)]

007シリーズ最新作であるシリーズ第21作の「CASINO ROYALE」が12/1に公開になるが、それに向けて、これまでのシリーズ全20作を7月からDVDで順番に改めて見ている。(シリーズ40周年記念のDVD-BOX+「ダイ・アナザー・デイ」。一応、特典映像の方も改めて見ているので、1本を見るのに3時間半から4時間という時間が必要となる。尚、今度は全20作のアルティメット・コレクションのBOX(スーツケースに収納)が発売されるのですね。全作吹き替え版もあるということで、一応は「アルティメット」と感じます。(が、40周年のBOXを持っているので、流石に購入の方は...)で、今回はようやく半分に達することになるシリーズ第10作目となる「私を愛したスパイ」です。

尚、007シリーズに関してはHPの方に資料として作っていますので、そちらもご覧頂ければ幸いである。(ここをクリックしてください。)尚、各作品については「作品解説」と「脱線メモ」という2本立てで記していますが、前者は筆者が書いたもの、後者は年間に映画を600本以上見るという友人のG氏が書いたものです。

「THE SPY WHO LOVED ME」は1961年にI.フレミングが発表した小説が原作とはいうものの、物語の方はこの小説のタイトルを使っているものの、ストーリーはオリジナルである。これは前作まではずっとコンビを組んでいたプロデューサのハリー・サルツマンが降りて、この作品からはアルバート・R・ブロッコリ一人がプロデューサとなったが、これによって原作小説をそのままエスが化できなくなったという事情がある。また、この作品はシリーズ第10作という記念作品でもある。ということで、全ての点でスケール・アップした作品でもある。で、その代表は、潜水艦にもなる新・ボンド・カーのロータス・エスプリである。

監督は「007は二度死ぬ」以来のシリーズ2作目となるルイス・ギルバート。脚本はリチャード・メイバウムとクリストファー・ウッド。主題歌はカーリー・サイモンの歌う「Nobody Does It Better」であるが、この主題歌は「女王陛下の007」の主題歌をインスト曲の方だと考えると、初めて映画タイトルと異なるタイトルが付けらたことになった。(正確に言うと「ドクター・ノオ」も主題歌と映画のタイトルが違っていますが...)キャストは、ボンドは3作目のボンドとなるロジャー・ムーアに、ボンドガールは後に元ビートルズのリンゴ・スター夫人となるバーバラ・バックである。彼女は『ボーグ』誌などの表紙を飾ったこともあるモデル出身の女優さんで、こんな所でもイギリスの誇るビートルズと本シリーズが接点を持つことになります。敵となるストロンバーグにはクルト・ユルゲンス、殺し屋ジョーズにはリチャード・キール、キャロライン・マンローが花を添えている。また、M、Q、マネーペニー(バーナード・リー、デズモンド・リュウェリン、ロイス・マックスウェル)のお馴染みのトリオも揃っている。そして、本作からソ連のゴーゴル将軍がレギュラー・キャラとなり、脱スペクター/東西冷戦下の物語として完全に生まれ変わることにもなった。

シリーズ第10作という記念作品ということもあって、とにかくメカが一段と派手になり、アクション(スタント)も冒頭の崖からのスキー・ダイブ(パラシュートが開いて、それがユニオンジャックという遊び心もある)というようにシリーズに残るアクションが見られる。ただ、「007は二度死ぬ」では宇宙船をそのまま拉致するという所があったがねそれを元にした巨大タンカーの船首が開いて潜水艦を呑み込むというのは、ある意味焼き直しではあるが、ミニチュアと巨大セットによってたっぷりと魅せてくれている。

本作では、「アラビアのロレンス」をはじめ、いくつかの名作映画のパロディも取り入れられ、ロジャーのキャラと相まって、ユーモアに満ちた内容にもなった。また、殺し屋ジョーズに人気が集まり、次作「ムーンレイカー」にも再登場することにもなる。で、それらの要素が相乗効果を果たし、歴代のシリーズの観客動員記録を更新(現在では、後の作品に多数抜かれている)すると共に、秘密兵器を使ったスケールの大きな作品として定着することにもなった。

物語は、イギリスとソ連の潜水艦が突如消息を絶った。両国は潜水艦失踪の鍵を握る男に会うために、それぞれ敏腕の情報部員を派遣する。事件の鍵はエジプトにあり、ボンドとアニアは共にエジプトへ。二人は小競り合いをしながらも、殺し屋ジョーズに襲われたときは協力して窮地を脱出する。そしてその間に海運王ストロンバーグの野望を知った。また、英ソ両国は協力してストロンバーグの陰謀を阻止することとなり、ボンドとアニアが共同作戦を張ることになり、二人はストロンバーグの海底要塞のあるアルバニアへ向かった。ストロンバーグの要塞を偽名を使って訪れたボンドとアニアだったが、その後襲われるが、ここで新ボンド・カーであるロータス・エスプリが大活躍をする。(本作が公開された頃は、スーパーカーのブームがあり、流線型の綺麗なデザインのロータスはアストン・マーチンに代わるボンド・カーとして受け入れられた。)潜水艦に変形する所は見所の一つである。ストロンバーグは拉致した潜水艦を使って英ソ両国が互いに戦争を始めるように仕向けようとしていて、その作戦が実行されるが...

本作は、派手なスタント/アクションに、突拍子もない秘密兵器が絡み、アクション映画のファンの心を躍らせる作品になったが、映画のパロディは見る者の映画に関する知識を計ることにもなり、エジプトのピラミッドなどの観光案内、ミニチュアによる特撮など、本当におもちゃ箱をひっくり返したような豊かな娯楽作品となっていて、申し分ない作品である。(シリーズ一の傑作という声も多々ある作品である。)「007」シリーズを語る上では絶対に外せない傑作である。

 

007/私を愛したスパイ

007/私を愛したスパイ

  • アーティスト: サントラ, カーリー・サイモン
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 1996/02/07
  • メディア: CD

007/私を愛したスパイ 特別編

007/私を愛したスパイ 特別編

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2003/02/26
  • メディア: DVD

↓単独でもリリースされます。(全作出ます)

007 私を愛したスパイ アルティメット・エディション

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD
007 製作40周年記念限定BOX

007 製作40周年記念限定BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/20
  • メディア: DVD
007 アルティメット・コレクション BOX

007 アルティメット・コレクション BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD

James Bond 007 - 1/4 Scale Premium Figure: Roger Moore as James Bond

  • 出版社/メーカー: サイドショウ
  • メディア: おもちゃ&ホビー
1/18 THE SPY WHO LOVED ME - JAMES BOND - LOTUS ESPRIT SUBMARINE VERSION ( WHITE )

1/18 THE SPY WHO LOVED ME - JAMES BOND - LOTUS ESPRIT SUBMARINE VERSION ( WHITE )

  • 出版社/メーカー: ゲイトウェイグローバルジャパン
  • メディア: おもちゃ&ホビー
James Bond 007 - Legacy Collection 12 Inch Figure: Roger Moore as James Bond

James Bond 007 - Legacy Collection 12 Inch Figure: Roger Moore as James Bond

  • 出版社/メーカー: サイドショウ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

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