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NILSSON『PUSSY CATS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1974年に発表されたアルバムであるが、酷評されていることで有名なアルバムである。(が、酷評されるというのもちゃんとした理由がある。そもそも、完全な駄作だと言うのであれば、誰も相手にすることはしないでしょうから、「酷評」ということすらされないことになる。更には、LPの時代に発表されたアルバムだったら、CD化されるということはまず無いでしょうから...)当時の彼は、JOHN LENNONの相棒として「失われた週末」に関して色々なことがあり、これまでに彼が発表した作品とは全く異なるサウンドで、しかもオリジナルではなくカヴァー曲が中心という構成である。名曲「Without You」があるだけに、その路線を期待した人は軒並みその期待を裏切ったと言うことで酷評するというのも、それなりに理解は出来る。が、それは受け手側の勝手な思いこみや解釈が入っているから起こることでもある。アーティストとすれば色々な表現方法があるだけに、こういうアルバムもまた一つの作品としては幅が広がることになり、もっと高評価されても良いものである。(最近になって多少再評価されるようになってきました。で、最近のCDにはボーナス・トラックまで追加されている。→酷評ばかりだったら、こういうことはしない上に、CD化なんてしないはずです。)ということで、時間に流れによって評価が変わったアルバムの一つである。(まあ、こういうアルバムって意外と多くあるのですが...)

収録されているのは以下の全10曲である。『Many Rivers To Cross』『Subterranean Homesick Blues』『Don't Forget Me』『All My Life』『Old Forgotten Soldier』『Save The Last Dance For Me』『Mucho Mungo/Mt. Elga』『Loop De Loop』『Black Sails』『Rock Around The Clock』。

この中からは『Many Rivers To Cross』『All My Life』『Save The Last Dance For Me』という所をお薦め曲としてピックアップしておくが、かなりソウルフルに歌っている彼のボーカルは「Without You」からは完全に違う世界のサウンドになっている。が、メロディラインに重きを置いたソフトな路線では味わうことの出来ないヒューマン・ライクな所があり、これはこれでボーカル・ナンバーを味わう醍醐味である。また、(オリジナル・アルバムでは)ラストを飾る『Rock Around The Clock』にはちょっと注目です。(あの往年のロックの名曲ですからね...)

時代が変わったと言ってしまえばそれまでであるが、本アルバムに対する評価が変わると言うことは、一つは当時の論評がいい加減に行われていた(右に倣えで誰かの追従だけだったこともある)という部分を否定できないとはいうものの、新たに発表されたアルバム事態の内容に関係なく、イメージやその当時の流行りものの影響が評価に関係すると言うことを改めて感じることが出来る。が、そう言う評価というのは、あくまでも一つの指標でしかないということで、各自が自分の耳で聴いて評価してもらいたい所である。(例えば、競馬の予想を例に取ると、レース予想は出走する馬の評価を比べて行われる。で、評判の悪い馬は、まず勝つとは予想しない。競馬の場合、オッズは一つの指標ということになるが、現に万馬券というように評価が低い馬が勝つという現実がある。つまり、評判が悪くても、いい結果を出すことがあるのである。)ボーカル・アルバムとしてじっくりと聴いてもらいたいアルバムである。

 

Pussy Cats

Pussy Cats

  • アーティスト: Nilsson
  • 出版社/メーカー: Pussy Cats
  • 発売日: 1995/08/29
  • メディア: CD

↑ジャケットは異なっているが、同じアルバムです。↓

Pussy Cats

Pussy Cats

  • アーティスト: Nilsson
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 1999/06/15
  • メディア: CD


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