PAT BENATAR『CRIMES OF PASSION』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980に発表された彼女の2nd.アルバムである。1st.アルバムがヒットしたことから、'80'sは女性ロッカーとして大いなる期待を持たれた彼女であるが、その期待に見事に応えることになり、大ヒットを記録して、時代をリードするロック・シンガーの座を完全に確立したアルバムである。で、Billboard誌の方でも本アルバムは、レギュラー・チャートで最高位2位を記録すると共に、1981年の年間アルバム・チャートでは堂々の5位にランクインしている。サウンドの方はオーソドックスなロック路線であるが、女性ロッカーというのがまだ珍しいと言うこともあり、パワフルな彼女のボーカルを活かしたアルバムとして仕上がっている。
収録されているのは以下の全10曲である。『Treat Me Right』『You Better Run』『Never Wanna Leave You』『Hit Me With Your Best Shot』『Hell Is For Children』『Little Paradise』『I'm Gonna Follow You』『Wuthering Heights』『Prisoner Of Love』『Out-A-Touch』。
この中からは『Hit Me With Your Best Shot』が全米TOP 10ヒットとなり、1981年のBillboard年間シングル・チャートで46位(レギュラー・チャートの最高位は9位)を記録したのをはじめ、『Treat Me Right』もレギュラー・チャートで最高位18位を記録して世湯ぬ年のBillboard年間シングル・チャートの83位にランクイン、また『You Better Run』は年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていないが、レギュラー・チャートでは最高位42位を記録するというように、複数のシングル・ヒットが生まれている。これらのシングル・ヒットを記録した曲はロックとしてはなかなか骨のあるところを聴かせてくれているが、本アルバムでは何と言っても『Wuthering Heights』に注目である。何せこの曲はKATE BUSHの曲である。KATE BUSHと言えばロックとはどう考えても接点を持っておらず、独特の世界観を持ったアーティストであるが、それを彼女が取り上げて自らの世界観を築き上げてしまうのだから、PAT BENATARの懐の広さということになる。
本アルバムは彼女が日の出の勢いで女性ロッカーとしてメジャーの仲間入りを果たすことになるその勢いがあるだけでなく、幅広い対応力を持っていると言うことを知らしめることになり、まさに彼女の魅力が全開というアルバムである。また、聴かせてくれるロック・サウンドもキャッチーで聴きやすいロックであるということもあって、何の抵抗もなく受け入れることが出来るものである。80'sだけでなく、女性ロック・シンガーを語る際、彼女は不可欠な存在であるが、その彼女の代表的なアルバムである本アルバムは、もう聴くしかありませんよ。
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