VANGELIS『HEAVEN AND HELL』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1975年に発表されたアルバムである。彼のソロ名義となっているが、本アルバムにはYESのJOHN ANDERSONが参加しており、プログレのアルバムといっても間違いではないアルバムである。当時の彼は「YESに新メンバーとして加入か?」とも言われており、そうはならなかったが、本アルバムのようにシンセサイザーを使ったシンフォニーというサウンドはYESに加入していても全く違和感がないサウンド・ワールドを聴かせてくれている。(彼がYESに加入していたら、YESはYESで、'70's後半はまた違った活躍をしていたでしょうね...)で、VANGELISと言えばシンセサイザーであるが、本アルバムではスケールの大きい一大叙事詩を、プログレ的な要素、シンフォニック的な要素、宗教的な要素を絡めて、一大芸術として仕上げられている。また、その一部に人間の声(ハーモニー)がこれも一つの楽器のように融け込み、幻想的な世界を築き上げている。
収録されている曲は以下の3曲である。(3曲ということで、シングルと思われるかも知れませんが、シングルではありません。大作が収録されているので曲数が少ないだけであり、歴としたアルバムである。)『Heaven And Hell, Part 1』『So Long Ago, So Clear』『Heaven And Hell, Part 2』。
JOHNが参加しているのは『So Long Ago, So Clear』であるが、これがまた絶品であり、たっぷりと聴かせてくれている。また、「天国と地獄」の方も、彼の持つ独特の世界を築き上げていて、うっとりと聴き惚れてしまうだけである。
本アルバムはTVの科学番組「COSMOS」に使用されたことでも有名であり、番組を見て本アルバムと出会ったという方もおられるだろうが、本アルバムが醸し出す神秘的で幻想的な世界にはロマンも感じることが出来、人並みではあるが、ただ「素晴らしい」というだけになってしまう。(色々と考えると、この時期にはこういう一大コンセプトアルバムというものは傑作がたくさんありました。)ながらではなく、じっくりと集中して聴いて欲しいアルバムである。
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