WEIRD AL YANKOVIC『EVEN WORSE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1988年に発表されたものであり、またまたパロディ精神に満ちたアルバムである。今回は、ジャケットから見て分かるように、MICHAEL JACKSONのパロディということを前面に押し出している。(ちなみに、中心となるネタは、1987年に発表されたMICHAELのアルバム「BAD」である。)で、彼の毒舌ぶりがいかんなく発揮されたアルバムである。また、彼の得意とするポルカもちゃんとある。(これが和ませてくれている。)
収録されている曲は以下の全11曲である。『Fat』『Stuck In A Closet With Vanna White』『(This Song's Just) Six Words Long』『You Make Me』『I Think I'm A Clone Now』『Lasagna』『Melanie』『Alimony』『Velvet Elvis』『Twister』『Good Old Days』。
この中では、やはり『Fat』である。タイトルからそうだが、こういうパロディ精神に満ちたところは度津にユニークである。で、曲名を始め、歌詞、PVまでもパロっているのだから、ここまでくればもう笑い転げるだけである。しかも、単に笑いを取るネタとなっているだけでなく、ちょっとシニカルな所がまた面白い。
パロディの場合は、その内容が面白いだけでは今ひとつである。やはり元ネタを知っているかどうかが重要な鍵となる。その点、MICHAELであれば、世界的なビッグ・ヒットを記録したために、元ネタとしても十分なものであるのだが、日本では今ひとつとなってしまう。これは言語の違いということがあるが、ちょっと悲しい所である。(日本ではパロディ映画も今ひとつ受けないのも同じ理由である。)が、パロディの世界というのは、突き詰めていけば計り知れない面白さがあるだけでなく、解釈を変えるだけで新たな展開もできるのである。(ただ、単にオバカをしているだけのものでは、そうはならない。)彼のパロディは「オバカ」だけではなく、シニカルさが売りであり、これがあるから止められないのである。パロディを理解するにはそれなりの勉強が必要であるが、本アルバムはその勉強をするには教科書となるものである。本アルバムを通して、そういう世界の勉強をしましょう!
↓ちなみに、MICHAEL JACKSONの「BAD」はこちらです。
コメント 0