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GENESIS『DUKE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1980年に発表されたアルバムである。このアルバムは彼らのサウンドが変わっていく境界期にあたるものであり、プログレ・バンドとしての彼らと、ヒット・ポップ・バンドとしての彼らのキャリアで、前者に別れを告げ、後者になる所に位置するものである。(あと、ピーターの脱退という節目も彼らのキャリアにはありますが...)ということで、本アルバムは、プログレの世界の総決算とでも言う要素が随所にあると同時に、ポップな所も見え隠れしている。(当時は、プログレGENESISの集大成ということでした。)尚、本アルバムは、1980年のBillboard年間アルバム・チャートでは44位にランクインしていて、レギュラー・チャートでは最高位11位を記録している。

収録されているのは以下の全12曲である。『Behind The Lines』『Duchess』『Guide Vocal』『Man Of Our Times』『Misunderstanding』『Heathaze』『Turn It On Again』『Alone Tonight』『Cul De Sac』『Please Don't Ask』『Duke's Travels』『Duke's End』。

この中からは、スマッシュ・ヒットとなった『Turn It On Again』や、1980年のBillboard年間シングル・チャートの71位、レギュラー・チャートでは最高位14位を記録した『Misunderstanding』がシングル・カットされている。しかし、プログレ色のある本アルバムでは、シングルを拾うのではなく、1枚のアルバムとして受け取るべきである。

本アルバムでは、シングル・ヒット曲も良いが、スタートからの『Behind The Lines』『Duchess』『Guide Vocal』という3曲と、『Duke's Travels』からラストを締めくくる『Duke's End』という所が聴き所であり、お薦めである。(そう言えば、『Behind The Lines』は、後にフィル・コリンズが自らセルフ・カバーをすることになりましたね。)

純粋の「プログレ」という観点から捉えると、かなりポップな所があり、途中でコンセプト色が薄らぐということで、評価は決して高くないが、この後の彼らのサウンドやフィル・コリンズのソロ、プロデューサとしての活躍を知った上で考えると、プログレにもポップな要素を取り入れるという発想と、それを試みたということも出来る。いずれにしても、これ以降のGENESISは、バンド名こそ「GENESIS」であるが、フィル・コリンズのイニシアティブが一段と強くなり、ポップなGENESISへと変貌することになる。これまでのGENESISサウンドということではラスト・アルバムと言っても良いが、フィル・コリンズ率いるGENESISとしたら産声を上げたということにもなる。そういうアルバムが、新たなディケイドを迎えた1980年に発表されるというのもまた面白いところである。'80'sサウンドでポップなGENESISしか知らないという方は、本アルバムを経て、全くサウンドが違う'70'sのGENESISに触れる窓口にしてもらいたいところである。

 

Duke

Duke

  • アーティスト: Genesis
  • 出版社/メーカー: Import
  • 発売日: 1994/11/29
  • メディア: CD


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