KENNY ROGERS『EYES THAT SEE IN THE DARK』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1983年に発表されたアルバムである。カントリー界の大御所であるケニーおじさんは、'80'sになっても相変わらず大ヒットを連発していたが、本アルバムはレコード会社を移籍して、サウンドの方もカントリーからA.O.R.寄りのものになった新たな出発点に位置するものである。また、'80'sに入ってから彼は大ヒットしたデュエット・ソングを何曲か放っているが、本アルバムではDOLLY PARTONとのデュエット・ソングが収録されていて、全米No.1の座を獲得している。(『Islands In The Stream』です。)本アルバムは、サウンドは変わったものの、やはりその名前もあってヒットを記録していて、1984年のBillboard年間アルバム・チャートでは44位、レギュラー・チャートでは最高位6位を記録している。
収録されているのは以下の全10曲である。『This Woman』『You And I』『Buried Treasure』『Islands In The Stream』『Living With You』『Evening Star』『Hold Me』『Midsummer Night』『I Will Always Love You』『Eyes That See In The Dark』。
全米No.1ヒットとなったのは『Islands In The Stream』であり、1984年のBillboard年間シングル・チャートでは56位にランクインしている。(ちなみに、1位は2週間でした。)デュエットのパートナーであるDOLLY PARTONもカントリー畑の人であるため、カントリー・ソングのデュエットかと思われるが、そうではなく、かなりポップな曲であり、ミディアム・テンポでとても聴きやすい曲である。かと思えば、バリバリのカントリーの王道を行くような『Evening Star』もあって、100%変身してはいないということもアピールしている。(レコード会社を移籍したことによって、気合いが入っています。)
筆者のお薦め曲は、前出の『Islands In The Stream』『Evening Star』と、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Eyes That See In The Dark』、そして聴かせてくれる『This Woman』『Living With You』という所をピックアップしておく。
'70's前半のカントリー・ブームの後は、カントリーは'90's初頭まではどちらかと言うと冬の時代であったが、大御所のケニーおじさんは'80'sの時代でも「カントリーはここにあり」と気を吐いていましたが、本アルバムの方向転換というのは、「カントリー=冬の時代」を象徴していることとして受け止められるが、良い曲はやはり素晴らしいものであり、カントリーは死んではいません。カントリー・ファンには物足りなさもあるが、ボーカリストとしてのケニーおじさんも悪くはないので、ボーカル・ファンの方とカントリー・ファンの方にはお薦めの一枚である。
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