KENNY LOGGINS『KEEP THE FIRE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表されたアルバムである。この時期の彼は、色々と試行錯誤を行っていた時期でもあるが、本アルバムではA.O.R.寄りのアプローチを行っているのが特徴である。特に、DOOBIE BROTHERSのMICHEAL McDONALDとの共作はシングル・カットされて大ヒットしたこともあって、この後のアルバムでも共作があるというように、ソロとなった彼としても転機になっている。で、ウエスト・コーストの誇る有名ミュージシャンたちとも親交が深まり、アルバムのクオリティも今までのソロ・アルバムと比べるとググッとレベルが上がっている。本アルバムは1980年のBillboard年間アルバム・チャートでは16位にランクインし、レギュラー・チャートでも最高位16位を記録したが、ある程度のロング・ヒットになったことが、レギュラー・チャートの最高位が16位でも、年間チャートでも16位になった一因である。(それにしても、二桁の順位で最高位と年間順位が同じというのは非常に珍しいことである。)で、本アルバムによってソロ・シンガーとしての彼も一気に格が上がった。
収録されているのは以下の全9曲である。『Love Has Come Of Age』『Mr. Night』『This Is It』『Junkanoo Holiday (Fallin'-Flyin')』『Now And Then』『Who's Right, Who's Wrong』『Keep The Fire』『Give It Half A Chance』『Will It Last』。
この中からシングル・ヒットした『This Is It』は1980年のBillboard年間シングル・チャートでは28位、レギュラー・チャートでは最高位11位を獲得したが、MICHEALの影響がもろに出ている一曲であり、評価が分かれる所であるが、後のヒット・アルバム「HIGH ADVENTURE」に繋がる所があり、少なくとも彼のキャリアにおいては(結果的ではあるが)良いことになった。また、アルバム・タイトル・ナンバーの『Keep The Fire』も深みがある良い曲である。
筆者のお薦め曲は、前出の『This Is It』と『Keep The Fire』に、『Mr. Night』『Who's Right, Who's Wrong』『Give It Half A Chance』といった所である。
ソロ・シンガーとして彼がブレークするのは、この次のアルバムである「HIGH ADVENTURE」であり、その後は映画「FOOTLOOSE」と「TOP GUN」の主題歌を歌ってそれぞれ大ヒットさせ、同時にサントラ盤の概念を変えることになった彼であるが、いよいよ大きく羽ばたくことになったアルバムでもあり、後の彼のアルバムに耳を傾けた方にはしっかりと聴いてもらいたいアルバムである。また、前記2作の映画主題歌でしか彼の曲を知らないという方にも、しっヵりと聴いてもらいたいアルバムである。
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