「CLASH OF THE TITANS」 [映画(洋画)]
表題の作品は1981年の映画「タイタンの戦い」である。本作品は、CGを多用できるようになった現在でこそ、改めて見てもらいたい特撮技術が使われている作品でもある。それはダイナメーションによる怪物の特撮である。本作はその大家である特撮の神様・レイ・ハリーハウゼンの事実上の引退作品でもあり、SFXの歴史上に残る作品でもある。確かに、現在のCGによる技術の発達は目覚ましく、ダイナメーションは時代が違うという感じを受けるであろうが、CGでは感じられない独特の暖かさがあるのが彼の特撮である。(早い話、人形を使ったモーション・アニメーションを実写と合成したものである。当然のことながら、撮影にはかなり手間がかかる。)
物語は、ギリシャ神話に登場する勇者・ペルセウスと王女・アンドロメダを中心としたファンタジー・アクション物語である。で、登場する怪物にダイナメーションが使われている。(まあ、特筆するような物語ではなく、このジャンルでは極普通の音の語りである。)監督はデズモンド・デイヴィス、ビヴァリー・クロスが脚本を書き、特撮はレイ・ハリーハウゼン、音楽はローレンス・ローゼンタールが担当した。出演は、ハリー・ハムリン、ジュディ・バウカー、ローレンス・オリヴィエ、バージェス・メレディス、クレア・ブルーム、マギー・スミス、ウルスラ・アンドレス、シアン・フィリップス、フローラ・ロブソンたちで、結構豪華なキャスティングである。
特撮が「SFX」として注目されたのは1977年の「スター・ウォーズ」からであり、それ以降の技術の進歩は目覚ましく、現在でも日々進歩している。'70'sの前半では「特撮」と言うところにはそんなにスポットが当てられたことは無かったが、レイ・ハリーハウゼンは人形を使ったモーション・アニメを実写と合成するという方法で「シンドバッド」シリーズでその名前を不動のものにしたが、その彼がこれまでに築き上げた技術の全てを注いだ本作の特撮は必見である。リアリティと言うことでは現在のCG技術は凄いが、どことなくハートが欠如しているようなことを感じるが、彼の技術はそれとは反するもので、アナログ的な世界のものであり、人間臭さを感じるものでもあり、そこがまた魅力なのである。まさに、技術レベルの推移を確認することが出来ることになる。
物語の方は、このジャンルでは極普通のものであり、一度見たらいいや、というものであるが、特撮に関してはたっぷりと堪能してもらいたい作品である。その技術水準の高さは紛れもなく「特撮映画」の歴史に残る一本である。
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