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さそり6話(阿修羅道・前編) [ドラマ]

この作品は2004年夏にBS-iで放送された全8話のドラマであり、放送から2年半以上が経過しているものの、もっと注目されていい作品なので、今になって改めて記している。(もう一度、再放送してくれたら良いんですけどね~。)1970年代に梶芽衣子さん主演でシリーズとして6作(梶さんは4作目まで)の劇場版が制作された「女囚さそり」のTVシリーズでもある。つまり、あの松島ナミが帰ってきたということにもなる。今回からは3つのエピソードの最終エピソード(前中後編の三部作)となる「阿修羅道」となり、今回はその「前編」です。

「Y刑務所を脱獄して2ヶ月、父と母を殺した真犯人を追い続けるナミ。手掛かりは手に火傷の痕が残る男。」前回までのあらすじを簡単に語るナレーションに続いて、いつものナレーション「囚人番号701号、松島ナミ。復讐を誓った女。人は彼女をさそりと呼ぶ」、ナミの台詞「私がサソる」で幕開けです。

松島家の墓に墓参りをしている北見。新しい花が供えられていることに気づいた北見が後ろを振り返ると、遠くにナミの姿があった。「ナミ」と語りかける北見に「来ないで」と言うナミ。北見は「あいつら誰だ?誰に追われているんだ?」と問うと「刑務官」と答えるナミ。「どうして脱獄した?」と続いて問う北見に「復讐するため」と答える。「そんなバカなことは止めろ。警察に任せろ」と言う北見に、鋭い眼差しで「警察が何をしてくれた」と言うナミ。「戻れ、刑務所に戻れ」と言う北見だったが、ナミは立ち去ろうとする。「お前一人で何が出来る?」と言う北見の言葉に足を止めたナミは「見つけたわよ」と言うと小声で「さよなら」と言って姿を消した。

ある川辺。釣りをしようという男がボディチェックを受けてから、道を先に進んでいく。そこにふらふらとナミが歩いてきた。「どちらに行かれますか?」と声をかける監視員。「ここから先は私有地ですよ。天童の家にご用ですか?」と尋ねる。が、ナミはフラッとして倒れそうになる。で、慌てて監視員がナミを支えると「大丈夫ですか?」ということで、ナミはその先の天童家に連れて行かれて、そこで医者に診てもらうことになった。

3日は何も食べていないということで、「しばらく安静にしてやってくれ」という医者・南口の診断で、ナミは奥の部屋の蒲団の中に寝ていた。腕には点滴が打たれている。が、目を開いたナミは起き上がると点滴を抜いた。そこに襖が開いて、ナミを助けた男(影山)と天童の愛人の滝本郁子が入ってきた。で、「なんであんな所にいたの?あの道はここに来るしかないのに?」と訳を尋ねる滝本。これにナミは「ここで雇ってください」と言う。すると影山が「お嬢さん、お名前は?」と尋ねる。床の間にいけられた椿の花に目を移したナミは「つばきです」と偽名を口にする。すかさず影山が「ここのこと、誰に聴きました?」と尋ねる。ナミは「クラブのお客さんに良い働き口があると...」と答える。滝本は「誰?その客。悪いけどここは素性の分からない人は雇えないんだ。帰んなさいよ」とナミを追い払おうとする。これに「まあまあ」と滝本を宥めた影山はナミの側に来て、「失礼」と言ってナミの顔をじっくりと見る。すると「ここは住み込みですよ。会長が気に入られるかも知れません」と言って、ナミをここに置くことを決めた。

和服に着替えたナミは滝本に案内されて、この屋敷のことについて説明を受けていた。で、ここには政財界の要人が会長を慕って集まってくるということが分かる。が、滝本は「ここで見たり聞いたりしたことは決して口外しないこと」と釘を刺した。また、滝本は「会長の部屋に入る必要はない」とも口にした。(会長の夜のお相手として)

手に火傷のある男に仕事の依頼をする影山。ターゲットはダム建設に反対しいてる地元の市民団体のリーダーであり、「いつも通りお願いします」。そんな所にナミが「夜食をお持ちしました」と言ってやってくる。で、夜食のおにぎりを食べる一同。ナミはみんなの手を注意して見るが、そこには火傷の男はいなかった。

恩田が無線で郷田所長に連絡をしている。左手の甲に火傷の痕がある男をナミが捜していたということを掴み、それを報告した。また、聞き込みをしていた相原はナミが川上に向かったという情報を得た。で「足取りを掴みました。今度こそ確保します」と報告して恩田と相原は川上に向かった。

会長への訪問客を案内した影山。ナミは物陰からその様子を覗こうとする。尋ねてきた男は、大日重工の樋口に会社を乗っ取られそうということで、「アイツを消して下さい」と言ってスーツケースの金を見せて頼み込んだ。で、その男が帰ると、会長は影山に「何も殺すことは無いぞ。大日重工には手を引け、と脅すだけで良いぞ」と指示を出す。で、「承知しました」と影山。が、ナミは襖越しに話しを聴いていたことがばれてしまい、影山に羽交い締めにされ「ここで何していた」と責められる。これに会長が「誰だ?」と尋ねる。「3日前に雇ったつばきです」と答える影山。ナミは会長を睨みつける。その目を見た会長は「ほ~う、いい目だ。阿修羅の目」と言う。そこに滝本がやってくる。影山は「連れて行け」と指示するが、会長が「待て」と制する。立ち上がった会長は「もう休む」と続ける。直ぐに「床の支度を」と指示する影山。会長はナミに向かって「してくれるな」と言うと「はい」と答えるナミ。会長はナミのことが気に入ったのだった。

滝本でさえ、会長の部屋に入るのに半年かかったが、つばきはたった3日でそれをやってしまった、ということで感心する影山だった。

会長の寝室、床についた会長。ナミが側にやってくる。会長は心臓が悪いということをナミに言う。更に「寒い」とも言う。するとナミは会長に蒲団を掛ける。「襟巻きも」と言う会長の言葉に、側にあった襟巻きを手にして会長の首に巻くナミ。で、会長に手を握られ、会長の手をじっと見る。で、ここには小指を失った男手に火傷を負った男たちがいるることを口にする。で、ナミは両親を殺したあの時の情景が浮かび、激しい阿修羅の目を見せる。

「薬をくれ」会長の言葉に我に返ったナミは「はい」と言って薬の袋を快調に手渡す。「水も」と言う会長に、水差しからコップに注いで、それを会長に渡すナミ。が、会長はそのコップをナミに返そうとして「口移しでくれ」と言う。ためらうナミに「出来ないか?」と言う会長。で、コップを受け取ったナミは口に水を入れると、口移しで会長に水を飲ませた。

会長の部屋から出てきたナミに、滝本が接近して「何してたの?」と問う。「今日はもういいそうです」と答えたナミは立ち去ろうとするが、滝本がそれを止めると「ちょっと気に入られたからって図に乗らないでよ」と言う。(嫉妬が始まりました...)

夜が明けた。恩田と相原は団地のある一室の前にいた。そこは手に火傷のある男・鈴木の自宅だった。すると近所の女が「鈴木さんのお知り合い?」と声をかける。で、「鈴木さん、何処行ったか知りません?」と恩田は尋ねる。が「知る訳ないわよ、こんな人」と捨て台詞。すると恩田はナミの写真を見せて「この女、見たことないですか?」と尋ねる。これに「何日か前、尋ねてきたわよ」と答える。で、ナミの行方が川の上(=天童の屋敷)だと知った。

手に火傷のある男がタバコを吹かしながら自宅に帰ってきた。恩田と相原がそれに気づくと軽く会釈して挨拶をする。それに応えた男だったが、タバコを投げ捨てると突然走って逃げ始めた。で、恩田と相原は追いかける。

二人をまいた鈴木は木陰でホッとするが、背後から犬神が襲い、羽交い締めにした。「久しぶり」と言った犬神はそのまま鈴木を引きずっていくと殺害した。

天童の屋敷、会長はナミを愛人として愛撫していた。が、医者・南口が来たと影山の声がする。南口医師を呼びに以降とした名もだったが、会長が引き留めた。そしてナミが鈴木のことを聞き出そうとしていて、今日も出来なかったと口にする。(会長は、ナミが見せる阿修羅の目から目抜いていました。)で「お前、あの男をサソるつもりか?」「鈴木と何があったんだ?」と問うが、ナミは何も答えなかった。「言いたくなければ言わなくても良い。だが、サソるからにはそれ相応の羞恥を受けたのだろう」これにナミは「先生をお連れします」と言って会長の手をふりほどいて離れていった。

控え室で食事をしている影山と滝本が話をしている。会長はつばき(ナミ)に相当熱を上げていると言うことで、滝本に退職金のことを持ち出して「そろそろご自分の人生を考えられた方がいいんじゃないかと思いまして...」と言う。しかし滝本は「つばきなんて、ただの遊びよ」と強がりを見せるが、内心は嫉妬の炎が燃え上がっていた。

滝本はつばきを追い出す策略を始める。会長の部屋から出てきた椿に接触すると「話があるのよ二人だけで話ができないかしら...」と言う。これに少し考えてからナミは「分かりました。でしたら、後で私の部屋に来てください」とナミは言葉を返すと去っていった。

天童家にやってきた恩田と相原。が、門番の男たちと一悶着。あくまでも「鈴木という人間はここにはおりません」と突っ張ねられる。すると恩田はナミの写真を取りだして「そしたら、この女は?」と尋ねる。これに顔色が変わる門番の男だったが「帰ってください」と追い返そうとする。で、キレた恩田が門番の男に襲いかかる。

そこに「どうしました?」と影山が部下を引き連れてやってきた。「聴きたいことがあるんです」と言う恩田だったが「お答えすることは何もありません。警察、呼びましょうか?」と影山。で、相原が恩田を抑えながら退散していった。

恩田は所長にそのことを報告した。「天童」の名前を聴いた所長は「厄介なところに逃げ込まれたなぁ...」と呟くと、「そこで待機しろ」と指示を出した。恩田は「天童をご存知ですか?」と尋ねると「天童税(てんどう・みつぐ)なら、よく知ってるよ」

つばきの部屋にやってきた滝本は話を持ちかける。二人で組んで天童の財産を戴こうというのだった。第一、天童は持ってあと一年(の命)であり、最後に愛された女だけが良い思いをする。つばきは天童に気に入られている。天童は基本的に人を信用しない男だが、自分は信用されている。二人で組めば最強。待つのなら今すぐ出て行け。手を組まないのならその方があなたのため。と、つばきを口説き落とそうとする。これにナミは「どうします?会長」と口を開いた。すると「残念だよ、郁子」と天童の声がした。そして襖が開いた。すると奥に天童、手前には影山がいた。天童は「最後に愛した女がお前でなくて良かった」と言った。

滝本は天童家から追い出された。影山が「消されなかっただけでもありがたいと思ってください」と滝本に言うと、屋敷の中に戻っていった。で、滝本は「サソられた...」

天童に一本の電話が入った。それは郷田所長からの電話だった。郷田は、仕事で近くに出向く用件があり、久しぶりにご尊顔を拝しに参上したい、と告げる。で、明日訪ねるということになる。電話を切った後「久しぶりに顔が見たくなったらしい。私の顔ではないが...」と口にした天童はナミの正体にうすうす感づいていた。

天童家を追い出された滝本は鈴木の家にやってきた。で、「始末して欲しい女が...」と言って中に入っていく。が、中には犬神がいて、拉致されると、乱暴を受けることになった...(前編 了、ということで、以下は「中編」に続く)

今回の物語は、最後の物語の序章ということでしたが、両親を殺した男の側に近づくために手段を選ばないナミ、そのナミの正体を感づいているものの、愛してしまった暗黒の世界のボス、それを取り巻く人たち。これからよりハードな展開になっていきますが、古厩演出もやっぱりいい所を見せてくれます。

次回は、今回の続きの「中編」である。何と言ってもY刑務所の郷田所長とナミが顔を合わせるという所が見所ですが、ナミは天童にはいよいよ正体を口にする、恩田と相原の逆襲など、一気に物語が動きます。

 

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