怪奇大作戦セカンドファイル#3「人喰い樹」[Final] [特撮]
38年ぶりの新作として、全3話が新たに製作されたが、今回はその最後のエピソードとなる「人喰い樹」である。(今回のON AIRはNHK BS-HiVisionで行われたが、4/30~5/2の24:00からはBS-2で放送されます。(夏ぐらいには地上波でも放送されるのでは?))
今回の物語は、筆者が日頃から考えているアイデア(黒崎先生が言ってくれます。)が盛り込まれているということで、3話の中では一番入りやすい物語でした。でも、展開に強引なところがあって、結末も消化不良でした。科学考証も不十分だったし...(どうも、ここ数年の円谷作品には全く馴染めない筆者です。)ということで、「セカンドファイル」の全3話は今ひとつ、としか言いようがない平凡な作品だったと言う結論です。(優良可/不可で、辛うじて「可」が良いところでした。)
さおりが友人と一緒に、東京近郊のある温泉にやってきた。が、そこで連れの女友達が変死した。遺体からは赤血球が無くなっていて、血管は植物の根のようになっていた。状況を説明するさおりだったが、SRIのみんなは誰も信じてくれない。が、それと同じような変死事件が起こっていることから、SRIの担当事件となった。
牧は植物学者の黒崎先生の所に行く。(ここに登場したアナログ・レコード・プレーヤー、テクニクスの名機のあのモデルの様でしたが... それにしても、毎日レコードを再生していたら、とっくにすり減っていて、もっとノイズが出るはずです)
「食虫植物」、「花粉症」という言葉が出てきましたが、ゴジラのような形で生まれた植物と想像したら、存在もあり得るのでは?と考えてしまいました。
被害者に共通する事項がわかり、みんなは死の少し前に里深原(さとみはら)市に行っていることが分かり、牧はさおりが行った時の足取りを追う。(ここに出てきた里深原市って「さそり」に出てきたF市の様に見えたのですが...)で、17年前に一人の若者が里深原の森の開発計画に反対する春名という学生がいたことを知る。が、彼は反対者が一人になり、自殺してしまった。
黒崎先生の調査で、生きている花粉を発見。その花粉は赤血球で増殖することが分かる。で、「花粉症」ではなく「感染症」だと言う黒崎。が、黒崎も発症していた。そんな中、SRIでさおりも発症して倒れてしまう。(今回、野村の出番はさおりを心配するだけで、何もしていない...→せっかくのキャラを殺している...)
防護服を着た男たちが現れて、牧や黒崎、さおりを隔離すると行って連れて行った。この事件はSRIの担当だったが、政府が「非常事態宣言」をして国が動いた。
SRIは春名が取っていたゼミの秋吉教授の所に行き、そこで春名のことを知る。(でも、もう少し遅ければ、秋吉は海外に脱出していました。→身を守るためにはそういうものですよね...)
病院に隔離された牧と黒崎。(この辺りから少し強引な展開になっていき...)黒崎は春名の幼なじみで、結婚を前提として付き合っていて、同じゼミにいたが、春名が自殺したことで大学を去った(春名の考えていた研究を一人で続けるため)ことが分かった。
結局、猛威を振るっている花粉は黒崎が生み出したものだった。(春名が自殺した杉の木に黒崎が春名の遺伝子を埋め込んだ。また、自分の遺伝子も)→木村多江さん、怪演しています。
が、猛威を振るう花粉の対処法は既にSRIが見つけていて、牧も助かった。その対処法とは、音楽だった。(春名が大好きだった曲で、黒崎が温室の植物に聴かせていた曲だった。(「G戦場のアリア」))その曲をかけると、花粉の毒性は消えて、普通の花粉に戻ったのだった。
ラストは銭形雷ちゃんでも現れたのでしょうか?雷が杉の木に落ちて、杉の木が燃え上がり、黒崎は炎の中に消えていった。(その後、彼女の遺体は発見されず、燃えつきて消えていた。)
30分過ぎ(時間的には全体7割以降)からの展開はあまりにも強引で、実に酷いものでした。(それまでは3本の中では一番良かったのに...)また「バイオテクノロジー」「遺伝子操作」という言葉で科学的な考証を誤魔化しているのも酷い。(着眼点が良かっただけに残念でならない。)後ろの10分だけでいいから、もっと科学的な考証を加えて作り直してもらいたい所である。→本作のことを知ったとき、期待と不安が入り交じったが、筆者にとったら「不安」が的中したということになりました。役者さんは頑張っていたが、結局、脚本が酷かったということでした。科学的な考証も不十分でしたし...(第1話は良かったのですけど、話が進むごとに悪くなっていくなんて...)
↓旧作のDVDは全6巻です。
↓参考資料
↓特効薬でした。
- アーティスト: オムニバス(クラシック), ラ・プティット・バンド, クイケン(シギスヴァルト), バッハ, ペトリ(ミカラ), ハンニバル(ラルス), ショーンヘルツ(リチャード), スコット(ピーター), フォックス(ヴァージル), ゴールウェイ(ジェームズ), ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 1998/02/21
- メディア: CD
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